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メディアグランプリ

「秘本」それは新しい世界への扉、読むだけで終わらない本だった


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:長谷川徳子(ライティング・ライブ大阪会場)
 
 
【号外】【12代目天狼院秘本、通販/予約開始しました! 今度の秘本は、“究極の”〇〇小説です!】という題名のメールに気づいたのは、令和3年1月14日の夜10時頃だった。
 
「秘本? なんだそりゃ?」と思いながらメールを読み進めた。
 
秘本とは、
表紙が見えないようにカバー、
中身をパラパラできないようビニール包装、
その状態で販売される本のことらしい。
 
つまり、
見た目で買う「ジャケ買い」
帯の推薦コメントを見て買う「帯買い」
好きな作家で買う「作家買い」
最初の数ページを読んでから買う「先読み買い」
あとがきを読んでから買う「あとがき買い」
など、本好きが本を選ぶ時に使う能力の全てを封じ込む売り方だ。
 
その上、紹介ページには、こんなことまで書いてある。
 
今回も天狼院秘本は、以下の条件を承諾いただける方にのみお譲りいたします。
・タイトル、秘密です。
・返品、できません。
・他の人には教えないでください。
 
「この条件をのむなら、売ってやってもええで~!」という、上から目線極まりない、書店としてありえない売り方だと思った。「そんなわけのわからん本に、1815円も出せるかいっ!」と思った。
 
でも、これまで11冊の本を「秘本」として紹介していた実績があること、泉鏡花賞を受賞した作品があったこと、そして、映画を見て号泣してしまった「コーヒーが冷めないうちに」があったことから、少し心がゆらぎ始めた。
 
そして、「究極の恋愛小説か~、ないわ~」「ディストピア? カタルシス? 意味、何やったっけ~?」と言いながら「12代目天狼院秘本」の紹介ページを3回も読み直した。さらに、過去の秘本の紹介ページも読んだ。もうすでに「開帳」という秘本の中身をバラした、元秘本の紹介ページまで読んだ。
 
秘本の術中にはまってしまった私が予約ボタンをポチったときには、日付は1月15日に変わっていた。
 
 
秘本を手に入れてから、通勤時間、ランチタイム、仕事と家事以外の時間をすべて秘本のために費やした。常に本を手元において、料理の合間を縫って、空き時間を探すようにして、必死で読書に費やしたのは、村上春樹の作品以来かもしれない。それほど夢中になって読ますほどのとんでもない力のある作品だった。最後は、左手に湿ったハンドタオルを握りしめながら読んだ。読み終わったあと、すごい脱力感だった……。
 
 
 
そして、私は、秘本には読むだけで終わらない、さらなる新しい世界があることを体験してしまった。
 
その世界は、秘本を読み終えた翌日のランチタイムに、本好きの同僚に「第12代目天狼院秘本」の紹介をしようとしたときに現れた。
 
天狼院書店の存在を知らない同僚だから、いつものように本の題名をそのまま伝えても良かったのに、なぜかはわからないが、私は秘本のままで紹介をし始めた。
「えぇっとね……、リアルじゃないねんけど、ファンタジーっていう感じの軽さじゃなくて~。でね、えっと、特にね……3つ目の作品がよくってね。こんな愛され方されたら~って感じでね、あ、でも、よくある軽~い、めっちゃ恋愛恋愛してる感じじゃないんよ~」
「あのね、リアルな話じゃないのに、でもほんまに目に見えるようなリアルさがあってさ~」
 
秘本のままで紹介しようとしたせいで、それはそれは、しどろもどろな、まったく要領を得ない説明になってしまい、「ただ、オススメ本の紹介をしたいだけやのに、何でこんなに苦労せなあかんの~?」と思った。
そして、同僚からは、「その本の題名を教えてくれたらええだけやないですか?!」と言われてしまった。
秘本の良さを伝えたかっただけなのに、散々な目にあってしまった! と思った。でも、いつものように説明するよりも苦労したわりに達成感はないし、あげく文句まで言われたのに、なぜか楽しいと感じてしまった。
 
 
次の新しい世界は、秘本を購入したAさんの前で、秘本を読み終えたBさんと会話したときだった。
 
「Aさん、秘本買ったん? めちゃめちゃいいよ~、私、めっちゃ泣いた~」と言った私に
Bさんが「読みました?」と聞いてくれてから、話が弾んだのだ。弾んだとはいえ、「他の人には教えないでください」という縛りがあるから、「これぐらいは言うていいよね?」「これは大丈夫か?」と心のなかで手探りをするようだった。
 
でも、そんな縛りの中で
「自分では絶対に選ばない作品でした」
「書店で見てたら、1つ目の作品の数ページを読んで買ってなかったかもしれません」
「3つ目がもう最高で~」
と内容がバレないように言葉を選びつつ、秘本の良さを必死で伝えようと話す私のテンションがすごく上がってることに気がついた。Aさんにバレないように、Bさんと二人だけの秘密の暗号でこっそり話してるような、そんな親密感を私は勝手に感じて盛り上がっていた。
 
私は、自分の読んだ本を誰かに勧めたことが何度もあるけれど、こんなワクワク感とともに本の紹介をしたことは、それまで一度もなかった。
 
これは、秘本からでしか得られない新しい読後の世界だと思った。
 
 
人は知らないものを恐れるという。そう、この秘本も同じだ。何が入っているかまったくわからない。だから手を出したくないと思うのが普通だ。私もそうだった。
 
でも、天狼院書店が、もしくは、読んだ誰かがそこまで自信を持って推薦する本だったらいい本なんじゃなかろうか?
いつもの私なら絶対に選ばない本だったりしたら、すごい新しい出会いになるのではなかろうか?
そして、
読んだあとに未知なる世界への扉が待っているかもしれない?
と期待して選ぶことはありだと思う。
 
 
 
 
***
 
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2022-02-23 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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