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メディアグランプリ

ヒヤシンスとラジオでつながる友情


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:石川ひろこ(ライティング・ゼミ2月コース)
 
 
「この歳になったら真に心を分かち合う友達なんてできっこない」
そう思っていた私ですが、39歳になって大切なお友達ができたのです。
 
 
「くみこさん」に出会ったのはロンドンのリージェンツ・パークでした。
私はフォトグラファーをしていて、コロナ禍前は海外でも出張撮影をしていました。
 
 
6月、薔薇が咲き乱れる公園でくみこさんのご主人と当時2歳だった娘ちゃんの3人で撮影会に参加してくれたのです。
それはそれは見事な薔薇の中で優しく微笑むくみこさん。
 
 
「まあ。なんと美しい。絵本の中から飛び出してきたみたいなご家族だなあ」と私の記憶に残った方でした。
 
 
その時は写真を納品し、いくつかのやり取りをしておしまい。
実家が名古屋と聞いていたので私が次にロンドンに行かない限り、もう会うことがないのかなと思っていました。
 
 
ところが、今から4年前のこと。
私が住む高槻の街でくみこさんに似た女性を見かけたのです。
 
 
「あれ? もしかしてくみこさん?」と思ったが、即座に「いや、あの方はロンドン在住で高槻になんているはずないっ!」と頭をぶんぶん振り、自転車でその場を通り過ぎました。
 
 
それからしばらくしてくみこさんから
「夫の転勤でロンドンから高槻に引っ越してきました!ひろこさん、確か高槻にお住まいだと記憶しておりますが……」
と連絡が入ったではありませんか。
 
「え〜! じゃ、あの時の女性はくみこさんだったんだあ!」
とびっくりしつつも、すぐに私からランチのお誘いをしました。
 
 
高槻を見渡せる場所で再会。
あまり初対面で自分のプライベートなことは語らない私にしては珍しいくらいにたくさんしゃべったことを覚えています。
 
くみこさんとは年齢が同じということ、そして一人っ子を育てるママということ。
この2つの共通点からどんどん話が広がっていきました。
 
そして「くみこさん」・「ひろこさん」はこのランチ後すぐに「くみたん」「ひろたん」の仲になったのでした。
3年間たくさんの時間を過ごし、美味しいものもよく一緒に食べに行きました。
 
 
私のずっこけ失敗談をいつも大笑いで聞いてくれる。
私も彼女の思慮深い話に耳を傾けるのが好きだったのです。
ある時は彼女と園芸ショップに行き、ヒヤシンスの球根を一緒に買いました。
同じ頃に水耕栽培を始めては「根っこがこんなになったよ」とか「花が咲きそう」等と、写真を見せ合うのも楽しみの一つでした。
 
 
そんな日常の楽しみを分かち合える友達ができたことがとても嬉しくて。
悩み1割、愚痴1割、最後8割大笑い。
 
 
お互いの意見を尊重し、程よい距離感で大切にしあってる感じがなんとも心地よかったのです。
大人になってこんな風に語り合える友達ができたことが嬉しくて気がついたら3年間が過ぎてました。
 
そんな彼女が関東へ引っ越すことが決まったのは去年の春のことでした。
転勤の報告を受けて、私は子供みたいに「いやだ〜!」と言って涙がポロポロ出たのを覚えています。
 
もともと転勤が多い環境だとは知っていたし、いつかはこの日が来るとはわかっていました。
でもやっぱり寂しい。
 
 
「今から駅前出れる? お茶でもどう?」という距離でなくなってしまうこと。
一緒に通ったヨガや習字の後にランチすることも、もう無くなってしまうんだと思うとただただ寂しい気持ちで胸がいっぱいでした。
 
 
それからあっという間に半年以上が経ちました。
くみたんは関東で新しい生活を始め、私は一人で習字とヨガに通ってます。
「ああ、くみたんに会いたい」と思うことも多いのですが、今も変わらずメッセージをやり取りしています。
 
 
「元気してる〜?」
「うん、そっちはどう〜?」
 
 
何気ないやり取りだったとしても新天地で奮闘する友を想い、「元気」って言葉に安心するのです。
 
 
そんなくみたんから先日教えてもらったpodcastの番組があります。
それはちょうど私達より少し先輩世代のジェーン・スーとアナウンサー堀井美香がパーソナリティーを務める「over the sun」という番組です。
聴いてみると、40代、50代女性の心の葛藤を笑ったり泣いたりして語り合う心温まる内容で面白い!!
 
 
さらに、この番組が私達にとって特別なことが一つあります。
それは番組とリスナーがそれぞれヒヤシンスを育てているのです。
 
同じ日に水耕栽培、もしくは土に植え、それがどんな風に成長していくのかをinstagramでハッシュタグで共有しています。
 
早咲きの子、遅咲きの子、全く芽が出ない子、腐ってきてしまった子。
いろんなヒヤシンスがあるけど、合言葉は「みんな違ってみんないい」。
 
私も急いで今年のヒヤシンスを購入し、大切に育てています。
寒い日でもどんどん成長しています。
 
そして今年も花が咲く頃になりました。
ツンと鼻につくヒヤシンスの香りが部屋を満たします。
その度に私は、東の空の方を見てくみたんを思い出すのです。
 
今年の私のヒヤシンスは赤。
くみたんのは白。
 
住む場所が離れても、こうやって同じ花を見てお互いを思い出し毎週金曜日に同じラジオを聴いて心をつなげ合う。
 
 
コロナが落ち着いたら、くみたんに会いに行こう。
そして「over the sun」共に聴き、その話をツマミにお酒を飲もう。
語り合おう。
 
 
離れ離れになってしまったことを嘆くより、奇跡的に再会できて心を分かち合える友達になれたことに感謝して。
 
 
 
 
***
 
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2022-02-24 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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