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メディアグランプリ

塩を振りすぎの人生を見直して、良い塩梅で生きることを考える


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:垣尾成利(ライティング・ゼミ2月コース)
 
 
学生時代に京都の漬物屋さんでアルバイトをした経験がある。
 
京都の漬物と言えば千枚漬けが有名だが、毎日何百という数の段ボール箱で搬入されるカブを職人さんのもとに運ぶのが私の仕事だった。
 
作業はある程度機械化されていたけれど、スライスされたカブに塩を振る工程だけは特定の職人さんの聖域だった。
 
横で見ていても、適当に振っているようにしか見えなかったのだが、塩の振り加減が味を大きく変えてしまうため、職人さんは真剣そのものの表情だ。
 
丁度良い加減、というのがあって、それは長年経験していく中で身についていくものなのだろうが、なかなか難しいのだろうなと思いながら職人さんの手捌きを興味深く見ていたのだった。
 
「塩梅」と言う言葉があるが、丁度良い加減、というのはとても難しい。
 
これは料理だけでなく、生き方にも言えることで、人間関係や仕事、趣味へののめり込み具合など、様々な場面で塩梅よくできているかと言うと、塩辛すぎたり薄すぎたりして、丁度良い状態に整えるのは大変だなと感じることばかりだ。
 
私はいろいろなことに一生懸命になりすぎる傾向があるため、塩梅よくいかず、塩を振りすぎて塩辛くなってしまうことが多い。
 
コミュニケーションでも相手に関わりを持ちすぎてしんどくなることも多いし、仕事でも手を抜かず、他の人より多くの仕事をこなそうと必死に取り組んでしんどくなることが多い。
趣味においてもやりだしたら深く求めようとしてしまい、結果として生活のバランスを崩してしまうことになり、無理が生じて長続きしない、ということが何度もあった。
 
どれにも共通するのは、塩加減を間違っている、ということなのだろう。
 
身を削ってまで取り組もうとしてしまう姿勢、これはこれで大事な面もあるが、やはり無理があると続けるのにも根気が続かず、途中で心折れてしまう。
 
こうして途中で投げ出したこともたくさんあり、結果どうなったかと言うと、そんな自分に嫌気がさし、自己肯定感が低くなってしまった。
 
一生懸命取り組んでも報われない、全力でやったのに認めてもらえない、必死に頑張ったのに上手くならない、といったふうに努力の過程が結果に結びつかないことが多々あり、それが全部自分が悪いからだ、という捉え方になってしまったのだ。
 
そういう失敗事例を思い返してみると、大抵が最初に一気に熱を帯びてしまったことが多いことに気付く。
 
ゴルフもかけたお金の割に全く上達しなかったし、宅建の資格試験も通信講座を受講するまでは良かったが全然勉強が続かなかった。
 
これだ! と直感で思ったものに対して一気にのめり込んで深い所を求めるものの、興味は続かず途中で挫折し、自分はなんて中途半端なんだと自己嫌悪に陥ることを繰り返す。
 
どれもこれも、最初に塩を振りすぎている、ということなのだ。
 
丁度良い加減、というのは、無理なく負担の無い状態、ということだ。
 
私はこれが上手くコントロールできずに失敗ばかり繰り返しているのだと思っている。
 
しかしそんな中、文章を書くことだけは継続して取り組み続けることができている。
何のために書いているか? と言うと、自分の気持ちを整理するためだ。
 
嫌なことがあったり、迷ったり悩んだりしたことを文字にしていくことで、自分の心の中を整理し、隠れている感情を見つけたり、自問自答することでより良い答え探しができたりしていて、自分の気持ちを文字にして整理すると言うことが、自分と向き合う上で丁度良い塩梅だなと感じている。
 
どんな言葉を使えば、より正確に自分の気持ちを表現できるか? を考えている時の私の表情はきっと、千枚漬けの塩を振る職人さんと同じような顔をしているのだと思う。
 
丁度良い塩梅で書けた文章は、自分でも良くできたなと思える作品になった手応えを感じるし、そう言う時の文章は力みなくのびのびと自分の気持ちを表現できている文章となっていることが多く、後から読み直してみても、何度もその時の気持ちをリアルに呼び戻すことができると感じるものになるのだ。
 
千枚漬けに塩を振っている時の職人さんは、真剣な表情をしていたけれど、決して怖くはなく、穏やかで優しい表情で作業をしていたのが印象的だった。
それは、「美味しくなれ、美味しくなれ」と、この千枚漬けを食べる人が笑顔で喜んで食べてくれる姿を想像しながら、わずか一粒の塩の量にまで神経を張り巡らせるように向き合う気持ちが伝わってきたからだ。
 
その姿には無理が無かった。
 
もう何十年も前のアルバイトの記憶だが、丁度良い状態を考える時に、あの時の職人さんの姿を思い浮かべることがよくある。
 
日常生活では、最近はどうも塩を振りすぎているなぁ。
いろんなことに無理をしてしまっているなぁ。
 
せっかく文章を通じて自分の気持ちを整理できているのに、それが生活に活かせていないのは勿体ない。
 
日常生活も、文章を書くのと同じように自分の気持ちを表現できるよう無理をやめて、丁度良い加減を考えていきたいと思う。
 
 
 
 
***
 
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2022-03-02 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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