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メディアグランプリ

筆文字教室へ行って、無意識に変われない自分を自覚した話


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:山本のぞみ(ライティング・ゼミ2月コース)
 
 
「苦しんでいるママにぜひ参加して欲しい!」
こんな若干怪しい言葉に惹きつけられて、私はとある筆文字教室の体験へ行った。
母親になってから世間を見渡すと、女性向けの怪しいビジネスが世の中にはたくさんあり、
中でも母親をターゲットにしたものがとても多い。
個人的な感覚として、それら母親をターゲットにしている商売がなんとなく好きになれない。理由は自分でもよく分からない。
ただ、自分自身がこの筆文字教室のターゲットど真ん中だということは明確に分かった。
仕事の繋がりで最近知り合いになったとある女性が開く、この筆文字教室へ興味が半分、「お付き合い」 半分という感覚で参加した。
 
ちなみに、私は自分の書く字はあまり好きではない。
結婚式の芳名帳が筆ペンだと必ず躊躇する。ご祝儀袋も香典袋も自分の手で書いた文字はいつも曲がっている。
頼んで友達に書いてもらったこともあるし、そんな下手くそな字をなんとかしようと、筆ペン教室に一時期通っていたこともあった。
 
教室へ入ると、すでに数人の生徒が集まっていた。全員女性だ。
促されるままに席に着いた。机の上に置いてあるのは筆ペンとスケッチブック。
スケッチブック?
先生に言われるまま、まずは自分の名前を平仮名で書く。ほらやっぱり、上手く文字が入らない。最初の文字は大きく、最後へ行くにつれてどんどん文字幅が狭くなった。
名前をつけてくれた両親に申し訳ない。
「どうして左端から描き始めたんですか?」
え?文字って、左から右に、上から下に書くものですよね?
先生は続けた
「この教室では、自由に書いて大丈夫です。学校で習う文字は綺麗に書くこと、書き順通りに書くことがまず基本です。今日はそんな書き方以外をお伝えしますね」
 
それから、太い線、細い線、黒い丸等様々な線を言われるとおりに描き続けた。
筆の感触や、墨の濃淡、思いがけず飛び出してしまう不自由さなどが、だんだん楽しく感じてくる。
 
気がつくと、スケッチブック何枚にも渡って、たくさんのオタマジャクシ、ナミナミ、ウネウネ、黒いドット柄がびっしりと書き込まれていた。
 
「ああ、あなたは雑というか、結構自由な方ですね!」
目一杯模様で埋め尽くされたページを見て先生が言った。
え、どういうことですか?
「本当に几帳面な人は、大体同じくらいの大きさを並べて書いたり、お手本で見せた通りに描き始めたりしますよ。あなたは、好きに書いてる。どちらが良いというわけじゃないんです。でも、とっても良い感じですよ!」
最近はなかなか褒められることもない。ちょっと嬉しい。
 
「では、今まで書いた線を使って、平仮名を書いてみましょう!」
そう言って、先生の文字であ行が書かれた。
力一杯太い線から始まり、細い柔らかな曲線を組み合わせた「あ」が産まれた。
「い」 に至っては、黒丸が二つ並んでいる。でも、ちゃんと文字だと分かる。
墨の擦れ具合や、薄く滲んだところまで、とっても味わいがある。
「自由に書いて個性を出すのが、この教室でやる筆文字です。下手でもいいんですよ!」
 
そうか、ちょっと私も真似してやってみよう。
太い線、細い線、大胆に大きくしてみたり…… 試行錯誤でなんとかあ行が終わる。
うんうん、結構いい感じに出来てるんじゃない?
学校で習った正解のバランスをいかに崩しながら、自分の好きな文字を見つける作業は、思いの他集中出来、思った以上に”それっぽく” 出来上がっていった。
 
へぇ、案外私できるじゃない!
 
教室の最後、ハガキに「ありがとう」 の文字を書いた。
今日のこの数十分で、私の文字に対する感覚が変わろうとしていた。
 
全員描き終え、それぞれ作品を見せ合う。
今日初めて参加したのは、私ともう1人だけだった。
私は、自分の中で満足できたものをピックアップして提出した。
 
他の人の作品を眺める。
ああ、なんて自分の書いた文字はつまらないんだろう。
 
あれだけ自由に書いて良いと言われた私の字、線やバランスは確かに風合が出来た。
でも、つまらない。
意識せずとも大体同じくらいの大きさで、読みやすく書いている。
あれだけ自由に、自由にと思って書いたのに、今までの習慣、ルールに縛られている自分自身がそこに居るような気がした。
 
「自分自身の固定概念に縛られている人ってたくさんいます。文字も、それ以外の家事や仕事でも、ちょっと枠を飛び出してみると新しいことが出来たりします。そんな方法をこの筆文字教室では気づいてもらえれば嬉しいです」
 
ちょっとやそっと枠の外を知ったからと言って、すぐに自分自身は変われない。
子育ても仕事も、正直今まさに行き詰まりを感じていた私には、今の自分をしみじみ感じる機会になった。
無意識の中にこびりついている、自分のルールや枠組みに縛られているから苦しいのではないか。
そして、無意識は意識的に壊さないとバネのようにまた元の場所に戻ってしまう。
無意識のバネを意識的に伸ばして、伸ばして、私の心地よいところを見つけていきたいと思う。
 
 
 
 
***
 
この記事は、天狼院書店の大人気講座・人生を変えるライティング教室「ライティング・ゼミ」を受講した方が書いたものです。ライティング・ゼミにご参加いただくと記事を投稿いただき、編集部のフィードバックが得られます。チェックをし、Web天狼院書店に掲載レベルを満たしている場合は、Web天狼院書店にアップされます。

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2022-03-09 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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