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「愛情」と「性欲」


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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:大薄 将人(ライティング・ゼミ2月コース)
 
 
これは僕が30年間の人生で最もクズだった時の話だ。
 
僕は19歳の頃、福岡にある大学に通っていた。
大学では、友達もできずに、いつも一人で授業を受けていた。
田舎から都会に移住することになり、環境の変化からか、
うまく周りと馴染めないでいた。
 
新生活のスタートダッシュに失敗していた僕は、
いつしか大学にも行かなくなり、引きこもり状態になってしまった。
 
そんな状態で、数ヶ月経ったある日、
大学の同級生Mからメールが届いた。
 
「学校こないの?」
 
メールにはそう書かれており、僕はそれだけで、少し泣きそうになった。
同級生Mとは、大学の歓迎会で知り合ったのだが、
その時の1度しか話したことがないのに、
最近、大学に顔を見せない自分を気にかけてくれた様だった。
 
「そうだね、来週は行こうかな」
 
そう、僕は返した。
それから、僕は同級生Mとお昼を食べたり、
一緒の授業を受けたりして、行動をよく共にするようになった。
 
そして、いつも通り同級生Mと授業を受けていた時だった。
同級生Mが一人の女子生徒に声をかけられ、楽しく話をしている。
どうやら、別の授業で知り合ったらしく、
お互い漫画が好きで、仲良くなったみたいだった。
そして、その流れで同級生Mが僕を紹介してくれた。
 
僕はろくに女性とまともに話した経験が少なかったせいか、
ものすごく照れてしまい、何を話したのかすら、ほとんど覚えていなかった。
 
しばらくして、僕は彼女と頻繁に連絡を取るようになった。
不思議な話だが、僕がものすごく照れて自己紹介をしたあの日以降、
彼女の方が僕に興味を持ったようで、
同級生Mを通して、彼女の連絡先を知ることができた。
 
その時の僕は有頂天になっていた。
恋愛をしたことがある人は、誰でもこの時期が一番楽しいと感じると思う。
彼女との連絡は日に日に増えていき、
何度か直接二人で、会うこともした。
そして、人生で初めて恋人ができた。
 
全てが未体験だった。
キスもハグも、ましてやそれ以上のことなどしたこともなかった。
友人の話やエロビデオの知識だけで、乗り切るしかなかった。
それが原因で、彼女を傷つけてしまうこともあった。
 
それでも、彼女は僕のことを好きで居続けてくれた。
気がつくと、付き合って1年が経っていた。
この期間で、何度か別れては付き合ってを繰り返えしていたが、
お互い必要な存在だと感じていた。
 
しかし、そこには大きな価値観の違いがあった。
僕は彼女によく「好きだよ、愛している」と言っていた。
そう言うと、彼女の不安はなくなり、安心するからだ。
今思えば、その言葉に愛のかけらもなかったし、
言葉の意味も僕は理解していなかった。
 
彼女は僕の「愛情」を求めて、寂しさを埋めようとしていた。
そして、僕は愛情があるふりをして、「性欲」を埋めようとしていたのだ。
このことに僕自身気づいておらず、ずるずると関係が続いていた。
 
そして、さらに半年が経ったある日。
別れてほしいと彼女の方から初めて、別れを切り出された。
「嫌だよ〜」と
僕はあまり真剣にならないよう、半ばふざけながらそう言った。
そして、その話を有耶無耶にしようと僕は彼女にキスをして、
そのままベッドに横たわった。
 
その後、彼女は再び別れを告げた。
「性欲」は埋まり、満足していた僕は、
「良いよ、別れよう」と簡単に言った。
 
今思えば、この時よりずっと前から、彼女は悟っていたのかもしれない。
こいつには「愛情」などなく、あるのは「性欲」だけだと。
「どうしようもないほどだらし無く、口先だけの大嘘つき」だと。
 
1週間ほど経って、僕は彼女に電話をかけた。
よりを戻したいと伝えるために。
当然ながら、その希望が叶うことはなかった。
この電話以降、彼女とは話してはいない。
 
その二週間後、彼女には新しい恋人ができていた。
あまりの早さに驚いたが、
僕に愛想をついた時には、すでに知り合っていたのだろうと悟った。
彼女は僕の「偽りの愛情」ではなく、「本当の愛情」を欲していた。
当然の行動だと理解した。
 
19歳の僕は「愛情」と「性欲」が明確に違うことを理解していなかった。
この2つは光と闇の関係性によく似ている。
 
基本的に光は正義のヒーローで、闇は悪者の敵の立場にある。
しかし、どちらかがいなければ、どちらの存在も不要になる。
光と闇は表裏一体で、切っても切り離せない関係だ。
 
同様に「愛情」と「性欲」も似たようなもので、
「愛情」は家族のような暖かさや、心地よさを生み、
それがなくなると、調和が失われてしまう。
そして、「性欲」は種の保存をするための本能であり、
それがなくなると、繁栄が失われてしまう。
 
これは、どちらかが強ければ良いというものではなく、
バランスが大事だと僕は思う。
 
「愛情」が強ければ、恋人が家族のような存在となり、
女性として見る意識がなくなり、性交渉も減ってくる。
「性欲」が強ければ、恋人以外の人とも
肉体関係を持ってしまう事態が起きかねない。
 
この2つのバランスをうまく保つことで
恋人との幸せは手に入るのではないかと思っている。
 
30歳にして、まだ恋人との幸せへの答えを導き出せた訳ではないが、
これが僕が人生で最もクズだった、19歳の頃に学んだ1つの実体験でもある。
当時の自分より、少しは考え方がマシになったと願うばかりだ。
 
そしてここから、僕は新しい彼女と
セックスレスで悩むことになるのだが、その話はまた今度。
 
 
 
 
***
 
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2022-03-09 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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