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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:園田 美穂(ライティング・ライブ福岡会場)
 
 
最近よく耳にする、自分らしさ。『あなたはあなたのままでいいんだよ』『比べなくていいんだよ』正直、この美しい言葉たちに嫌気さえ感じ始めていた。そのままでいい? じゃあ、どうしてこんなにも生きづらいのか。
 
私の幼少期はこの言葉で表現できる。
 
『鈍臭い』
 
担任の先生から「このコード、絶対ひっかかるなよ」と言われたコードに見事につまずき、給食を打ち上げ花火のように散らす。前の人の追跡ごっこ中、静かに自転車で追いかける友達の後ろを工事現場のような大音量を放つ補助輪の音で、追跡失敗。挙げ句の果てには溝に落ち、はまって抜け出せなくなった状況に泣きわめく。そんなどうしようもない私はこれといった特技も無く、強いて言えば縄跳びだと大人になっても言い続けていた。
 
初めての就職は子どもの頃から夢見ていた保育士。おませなことに、小さな子のお世話をすることが小学生の頃から好きだった。そして念願の保育士になったものの、とにかく怒られ続けた1年目。「もっと要領いいやり方あるでしょ」「いつまでそこ拭いてるの。急いでやって」鈍臭い私は、人をイラつかせる天才だった。
 
そもそも指示がよくわからないのだ。「あの辺で乾かしてて」(え、あの辺ってテラスのこと? でもテラスはこの後使うって言ってたな。こっちで新聞紙を敷いて干そうか。でも新聞紙、滑るかもしれないな)こんなことを考えながら動いていても、もちろん仕事ははかどらない。そんな私のことを皆は「考えすぎ」だと言った。
 
思い返してみると子どもの頃も「なぜカーテンはカーテンという名前なのか? カーテンはヤカンじゃだめなのか」という質問で、大人を呆れさせていた。この考えすぎが足をひっぱり、仕事や人間関係でも生きづらさを感じていた。
 
自分を変えたい。まずは考えないことから始めよう。そう決心して試みるが、この考えるということは私にとって、呼吸だった。どう頑張ってもやめられない。「もっと楽に考えたらいいのに」それを一番望んでいるのは私なんだ。でも、どうしても出来ない。また自分のことを責めた。また自分が嫌になった。なぜ私はこんなにもダメなのだろうか。
 
そんな姿を見かねた友達が、こう言った。
 
「自分のこと嫌いな人って、自分に厳しすぎるんだよ。もっと出来てることに目を向けなよ。」
 
その日から、一日の終わりにこんなノートをつけることにした。
 
・時間通りに起きた
・朝掃除をした
・髪の毛をセットした
・夜ご飯を作った
・ヨガをした
 
何日か続けたある日、ふと思う。
 
(あれ? 今日はずっと家でダラダラしてないか? なにも頑張っていない、ダメだ……)
 
そんな時に観た動画では、こう話される。
 
「自分を好きになるには、自分との約束を守り続けること。どんな小さなことでもいい。一度決めたことはやり抜くこと」
 
また別の動画では
 
「素手で体を洗おう。そうすると、自分を愛おしむことが出来る」
 
とにかく必死だった。『自分を好きになれる』というワードを見つけると、すぐに飛びついた。けれど何か、違う。なにをやっても変わらない。なんというか、傷口の応急処置をしている感覚だ。
 
そんな時、私のマニュアルにはないこんな話しを聞いた。
 
「根本的な部分が大事なんですよ。考えすぎって、言い換えると思慮深いってことではないですか? 今、マイナスに出てしまっている考えすぎを、プラスに使ってみてください」
 
そう言われて課されたミッションは、人の相談に乗ることだった。訳もわからず始めた課題だったが、その効果は意外にも早く現れた。
 
「その角度から考えたことなかった」「たくさん質問してくれたから、答えていくうちにやりたいことがみつかった」
 
そうやって喜んでくれる人が少しずつ増えた。また相談したいと頼られるようにもなった。この考えすぎな脳みそが、誰かの役に立つんだ! そんな風に自分を受け入れ始めたある日のこと、また面白いことを経験する。
 
年末に向けた大掃除の日。要領の悪い私は『収納の達人』をお招きした。この人の手に掛かると、一瞬にして溢れた物が整う。そして最後にこんなことを言った。
 
「あ〜整理するの楽しいわ〜」
 
私は耳を疑った。世の中にはそんな人がいるのだと。けれどこの達人にも苦手なことがあるらしい。それは『使った物を、元の位置に戻すこと』
 
でも安心して欲しい。私は元に戻す達人だ。収納場所さえ決まれば、物は溢れないのだ。こんな人と一緒に住めば、散らからないだろうなぁと想像していると、あ! っと電流が走った。苦手なことは得意な人に任せたらいいんだ!
 
それを機に仕事のやり方を変えてみた。今まで苦手だった会場準備を、段取りの好きな人に任せ、話すことが好きな私は、講演での司会に挑戦した。準備はスムーズに流れ、司会も面白かったと喜ばれた。その時初めて、こう思う。
 
「私、このままでいいんだ」
 
今まで、ありのままの自分を否定していた。世の中の平均になろうと、突出したものは叩き潰し、欠けているものは埋めようとした。一生懸命やった。でも出来なかった。そうなれない自分をまた、否定した。
 
けれど本当は、自分の生まれ持ったそれぞれの役割があるのではないか。補い合って生きていっていいのではないか。でこぼこのピースが組み合わさり完成する、あのパズルのように。
 
だから、
 
『あなたは、あなたのままでいい』
 
私は、心からそう思う。
 
 
 
 
***
 
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2022-03-10 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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