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メディアグランプリ

3月は、年に1度訪れる特別な季節


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:佐藤知子(ライティング・ゼミ2月コース)
 
 
「どんな別れも、この世から無くなればいい」
20代の頃、つらい別れが続いて、心の底からそう思って泣いた。
 
太陽のように明るく、家族の全てを把握し、気に掛けてくれていた父が急逝した。出張先で急性心筋梗塞を起こし、帰らぬ人となった。父は獣医師で、その時周りにいた人たちも医療関係者だったから、最善の処置はしていただいた。救急搬送された病院へ、後で状況を聞きに行った時、先生は「おそらく一瞬だったと思います」とおっしゃっていた。
でも、あまりに突然だったから、受け止めるまでには、その後何年もかかった。人生の片方が塞がれたような気がしていた。
 
翌年、叔父も倒れた。遷延性意識障害となり、意識が戻らなくなった。呼びかけると眼球だけが右、左と動く。涙を流す。聞こえているよね。本当はわかっているんだよね。でも脳波は変わらないから、意識があるとはみなされない。意識が戻らぬまま他界した。つらい現実だった。
 
その後出会った彼は年下で、大学院生だった。将来の目標があり、夢があり、それを叶えるために頑張っていた。結婚の話も出ていて、側で支えていく予定だった。でも、採用試験では1歩及ばず、正式採用とならないことでぎくしゃくし始めた。最終的には、結婚はまだ考えられない、ということで、別れることとなった。私は28歳になっていた。
 
4年間のうちに、こんな別れが続いた。
世の中から、別れなんて消えてしまえばいいと、本気で思っていた。
 
その後も、出会いと別れを繰り返し、今に至る。
今では、その当時のことも受け入れられるようになり、仕方がないこととして、胸の中に納まっている。
 
3月はさまざまな別れの季節だ。お世話になった子供達の、小、中、高校の先生方も何名か移動され、小学校の校長先生は定年を迎えられる。小学校に関わってから10年になるが、その間、順番に、何人か校長先生が退職していかれた。今まで学校の長としてまとめて来られた方がいなくなる。家庭以上の時間を子供達と共に、一緒に過ごしてくださった担任の先生が入れ替わる。その繰り返しを見て来た。
それなのに、今年はいつも以上に心が揺れ動く。
昨日は、中学生の娘が所属する吹奏楽部の、3年生を送る演奏会があった。卒業する3年生、移動する顧問の先生も一緒に演奏した。
もう2度とこのメンバーで演奏することはない。この曲はこれから何度も吹けるが、このメンバー1人1人の出す音が融合することは、もう2度とないのだ。子供達は、演奏しながら泣いていた。
そういえば、私もこの節目を通って来た。一緒に涙を滲ませながら、ふと思い出した。何度も部活の引退や卒業を経験している。なのに、今年は特に瑞々しい気持ちだ。
 
今年は何かあったのだろうか。年をとったから、物事を感じやすくなったのだろうか。
思い当たることがひとつあった。
それは、ライティング・ゼミを受講して、他の皆さんの作品を読ませてもらったことだ。
皆さんもいろいろ苦労している。つらい思いもたくさんして、乗り越え、毎日を過ごしている。普段の、日常のお付き合いではなかなか聞くことのできない内面の声や出来事を、どなたかも存じ上げないうちに、聞かせていただいているような気持ちだ。
 
私も、心の内側を少しだけお見せし、いつの間にか、思いっきり熱くなって、最終的にさらけ出してしまっている。講師の方々にコメントをいただくのもとてもうれしいことだが、既読がついて誰かに読んでもらえている、ということ自体がうれしく思える。きっとこの機会がなければ、自分から書いて応募したり投稿することは、私のエネルギーでは及ばなかっただろう。
やはり、ライティング・ゼミを受講して良かったと思う。いろいろな世界や生き方があることを知った。自分自身についても、何を考えていて、何に感動しているのか、引き出しに少し整理することができた。
 
3月は、容赦なく別れの線を引いてくる。それは順番にやってくる。淋しいけれど、同じ人が永遠にいつまでも残っていても、困ることになってしまう。それは世の常だ。
新しいスタートをきる4月に向けた準備は、同時に始まっている。始まってしまえば、不思議なことに3月の別れのことは、ほとんど振り返らなくなることも知っている。
「どんな別れも、この世からなくなればいい」その次に思っていたのは、「じっとしていれば、月日は過ぎて、いつか自然に終わるから」だった。
そんなことを考えていた20代の頃の私に、そっと言いたい。
別れを心から悲しむ、惜しまれながら去る、このプロセスは大事だ。これからどんな出来事に出会うかわからないよ。ライティング・ゼミって知らないでしょう?
 
 
 
 
***
 
この記事は、天狼院書店の大人気講座・人生を変えるライティング教室「ライティング・ゼミ」を受講した方が書いたものです。ライティング・ゼミにご参加いただくと記事を投稿いただき、編集部のフィードバックが得られます。チェックをし、Web天狼院書店に掲載レベルを満たしている場合は、Web天狼院書店にアップされます。

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2022-03-30 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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