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メディアグランプリ

首刈りババア参上!


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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:工藤洋子(ライティング・ゼミ2月コース)
 
 
5月の気持ちよい晴天の下。
キッチンばさみを手にアザミの花をちょん切ってはボウルに集めるのは、彼らの天敵、首刈りババア!
 
アザミの花が言葉を話せれば、きっとこう言っているに違いない。
否、言葉がなくてもきっと思念でこう伝え合っているはず。
 
「ちょっと! また今年も出たわよ、あの首刈りババアが!」
「やっと咲いたところでチョッキンしていくの、やめてくれないかしら??」
 
庭に咲くアザミの花を刈り取っているのは、この私。
つまり、首刈りババアとは私のことなのだ。はっはっは!
 
綺麗な花を花瓶に飾るならともかく、花だけ切って一体どうしようというのか?
その理由はずばり、アザミの花の酵素エキスを作るためだ。
自他共に認めるこの食いしん坊の私が熱心にやることなんて、食べることに関係しているに決まっている。
 
酵素エキス、と聞いてもピンとこない方もおられるだろう。
酵素ジュース、の方がイメージできるだろうか。一番手頃な家庭の手作りジュースといえば、梅の実で作った梅ジュース、子どもの頃、作ってもらった、と思い出す人もいるのでは?
 
私が作っているのは、その野草版みたいなもので、素材と砂糖を一緒に漬け込み、野草から有効成分をガッツリ抽出してしまおう、というものだ。
 
酵素エキスは季節折々のいろんな野草や果物から作ることができる。
もう5,6年は前になるだろうか、私は野草にとてつもなく詳しい自称・酵素仙人にご縁があり、酵素エキス作りも含めて野草の基本も色々教えていただいたのだった。
 
私が今住んでいるのが大分県の中でも山の中、ということもあり、野草はその辺で取り放題。毎年あれこれと実験を兼ねて仕込むことが日課になった。
 
春は芽吹きの季節で一番野草の種類が多い。
 
薬効が恐ろしく高いが苦すぎて私は苦手な、ヨモギ
可愛らしい紫の花をちょこんとつける、カラスノエンドウ
野草じゃないけど春の味覚、タケノコ
 
そして、今日「首刈り」したアザミもこの時期だ。
 
夏が近づくと、また春とは違って花や葉っぱに加えて実も収穫できるようになる。
 
甘い蜜がたっぷりで金銀の花をつける、スイカズラ
名前とは裏腹に可憐な白い花をつける、ドクダミ
汁が服についたら困るけど口に放り込まずにはいられない、桑の実
ヒマワリが縮んで花びらが白くなったような小花、ヒメジオン
梅雨の末期の土砂降りにも負けない赤い宝石、ヤマモモ
 
そのどれもが特徴があって、しかも美味しい。
あ、ヨモギは……私は苦手だが、美味しいという人はいるかな。
同じように葉っぱや実を使うのに酸っぱくなったり、甘くなったり、面白いものである。
 
その中でも今日仕込んだアザミはかなり魅力的といえる。
 
まず、できあがりの色が美しい。
野に咲くアザミの花そっくりの美しい赤紫色に仕上がる。まるで食紅でも溶かしたようだが、これは100%天然色だ。
 
仕込んでしばらくは、冴えない感じの青っぽい色が出るだけなのだが、しばらくするとアザミに付着している乳酸菌が砂糖というエサを食べて活発になり、乳酸菌を作り出す。そうするとその冴えない色がパッと明るい赤紫色に発色して美しい色になる。そうなると味も酸味が出てくるので、炭酸割りにして飲めば日差しが日に日に強くなる初夏の気候にとても合うドリンクのできあがりだ。
 
実はこのアザミ、根は漢方薬として使われることもあるそうで、師匠の酵素仙人にも根から茎、葉、花まで全部を使った方が薬効が高い、とは言われている。でも全部入れたら色がきれいに出ないのだ!
 
薬効より味と見た目……食いしん坊の鉄則である。
 
薬効、といえば先ほど上げた野草の中ではドクダミが一番有名かもしれない。
 
ドクダミ茶は皮膚によい、と幼い頃アトピー性皮膚炎を患っていた私は田舎の曾祖母の家に行くたびに苦いお茶を飲まされていた経験がある。そんな私は当然、
 
「身体にいいといくら言われても、ドクダミなんて絶対仕込むもんか!」
 
と思っていたのだが、酵素仙人のところで味見させてもらうと、何だか別物の味!
あのジメジメした場所に生える草から想像できないほど、爽やかで軽やかな透明感のある味がしたのだ。
 
そう、例えるならライチみたいな爽快感?
 
ドクダミがライチの味なんて信じられないだろう。
砂糖と一緒に漬け込んで数日経つと独特の臭みがす〜っと消えていくから、毎年仕込むたびに不思議な気持ちになる。
 
何がどうやってどうなればこうなるんだろう?
食い意地もさることながら、この謎に対する好奇心も私が毎年酵素エキス作りを続けている理由だと思う。
 
人間も含めて動物は植物がないと生きていけない。
肉食動物だって、草食動物を食べるのだから、植物がないと生きていけないのは同じだ。
 
だけど、それよりもさらにミクロな世界、菌の世界までクローズアップしていくと、植物も菌などの微生物に支えられているのだと、発酵ものを手作りしていると実感する。私が作る発酵エキスも野草と共生する乳酸菌や酵母菌などの活躍で発酵が進み、成分が抽出されて行く訳だし、そもそも菌との共生と言えば、人間だって何億個もの腸内細菌と共に太古から生きているではないか。
 
そんな高尚なことも少しは考えながら、せっせとアザミの花をちょん切る首刈りババア……時折、アザミの反撃にお尻をプスリと刺されながら。
 
 
 
 
***
 
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2022-05-11 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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