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メディアグランプリ

雹嵐が呼んだもどかしさ


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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:萩原りえこ(ライティング・ゼミ4月コース)
 
 
雹とは、積乱雲から降る直径5mm以上の氷粒。直径5mm未満の氷粒は、霰と呼ぶ。
雹が降ることを降雹(こうひょう)、降雹による人体や農作物、建物の被害を雹害と表現する。(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
 
 
スカイブルー。眩しいほどの抜けるような青空の朝であった。
 
窓を開けていつものように外の空気を部屋へ取り込む。
どこかへ遊びに行きたくなるような天気。気持ちの良い快晴だ。
それなのに今、テレビの中のお天気キャスターはこう伝えている。
 
「今日は午後からバケツをひっくり返したような土砂降りになります」
 
『えー? ホント?』今の空からは、とても想像ができない。
それでも最近の天気予報の精度はとても高い。今日の洗濯物は早めに取り込もうと素直に思った。
 
 
貴重な休みだからこそ、1日は有効にそして効率よく過ごしたいものだ。
本日の私のミッションは下記の5つである。
① 冬の毛布を洗濯したい。
② 厚い羽毛布団は天日に干して押し入れへ片づけたい。
③ 食料品をスーパーへ買い物に行かないといけない。
④ 銀行の窓口にもいかなければならない。
⑤ クリーニング店へ冬物を出してくる。
と、やらなければならないことがてんこ盛り。それも雨が降ってくる前に完了させる予定だ。
さっそくその課題に取り掛かるとしよう。
 
 
夕方、クリーニング店からの帰り道のこと。車の時計をふと確認すると、16:00と表示されていた。
信号待ちで窓の外を見上げる。
西の空模様が怪しい。雲が厚くなりはじめ、濃い灰色の雲が空を徐々に覆い始めていた。
『早く戻って洗濯物を取り込まなければ!』
私は少しだけアクセルを強めに踏み込んだ。
 
玄関の鍵をあけ、急いで洗濯物をしまい込む。
『やったー、間に合った! 今日のミッション完全終了!』あまりにも首尾よく今日のやるべきことをやり終えられ、嬉しくなり小躍りしたいくらいだった。
夕食の支度にはまだ早いから少しだけのんびりしようと思った瞬間、カツン、カツンと
窓の外で小石が何かにあたって弾かれるような音がした。
 
『あれ? もしかして、雹?』
と思ったと同時位、私にけたたましいほどの激しい音が襲ってきた。大粒の雹が降ってきたのだ。
カンカン、ゴンゴンゴンゴン、ゴツンゴツン……。
建物中の外壁と屋根の上から雹が我が家にぶつかる音が響き渡る。
雨戸のない我が家の窓に大きな石ころのような固い氷が容赦なく飛んでくる。
それは、小さいものから大きなものまで、ありとあらゆる個体同士がぶつかるような音だった。
 
ゴツンゴツンゴツンゴツン……。
雹と呼ぶにはあまりにも大きすぎる氷の塊は、そのうち窓を砕き割ってしまうのではないかという恐怖心が沸き上がったきた。
『どうしよう、どうしよう』
右往左往するばかりである。こんな時、人はどうすることもできない。でも必死に何かをしようと考える。
とりあえず、シャーッと厚地のカーテンを閉めた。
 
 
降雹はその後、雷を伴った豪雨となった。
真っ白に屋根に積もるように覆われていた氷の粒は、大量の雨に押し流されて雨樋へと詰め込まれた。
雨樋は、氷の渋滞となり、かき氷かフラペチーノかというくらい雨樋からあふれんばかりの氷の粒の塊が膨れ上がる。その重みで今度は雨樋がそれに耐えられなくなりたわみ始めた。雨樋も変形させられようとしている。
 
 
その時間は、僅か小一時間のことだった。
西の空の雲の隙間に薄い青空とオレンジ色の太陽の光が覗いてきた。
 
恐る恐る表に出てみると雨は小雨になっていた。もう今にも止みそうな雨だ。
思い立ったように私は庭にあるサンルームを目指した。
「ああ……」
そこには、穴だらけになった見るも無残な姿のサンルームがあった。
 
経験したことのないような雹の嵐を体験させられた。
雹以外にも、台風や地震、私たちが遭遇してしまう自然による災害はいつ起こるか予想することが難しい。このところの災害は、その規模が年々増しているように感じる。住宅のスペックを上げるにしても限界がある。
自然に対して人の力の無力さを痛感した。私たちは、その予見できないものにどう対応していったらよいのだろう?
 
 
嵐が去ったあとの風は冷たい。
風通しが良くなり過ぎたサンルームで、私は足元に砕け散った破片の後片付けをしている。
 
充実した日に仰ぐ夕焼け空は、誇らしい。いつもはオレンジ色の空が自分を褒めてくれているように感じさせてくれる。しかし、今日の夕焼け空は、何だか悔しい。
 
もどかしい想いを抱きながら、大きな水玉模様のように夕焼け色の空が抜けて見えるサンルームの天井を見上げるのであった。
 
 
 
 
***
 
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2022-06-09 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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