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子供は親の足らない部分を教えるために生まれてくる


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:南部利江子(ライティング・ゼミ4月コース)
 
 
「子供は親の足らない部分を教えてくれるために生まれてくるのですよ」
子育てで悩んでいた時期に占い師から聞きものすごく響いた言葉。
そして、この言葉を聞き親として私に足りないのは
「優しさ」だとすぐに思いあたった。
占い師もにっこりと頷き否定しなかった。
 
ものすごく厳しい躾をしていたわけではない。
ただ「正義の剣を振りかざして人を傷つけていないか?」と聞かれたら
傷つけてきたかもと思い当たる。
家庭や子育てにおいても。会社で仕事をする場面でも。
つい、正論を述べ理詰めでものを考え、
それと違っていると相手を結果的に攻めてしまう所が
私にはあると思う。
 
そういった性格は子育ても難しくした。
子育ては、これが正解なんてたぶんない。子供の発達は十人十色で
それぞれの速度と個性というものがあるということを頭では理解しようとはしていた。
育児雑誌や保健婦さんにそのことを何度も教えられた。
けれども、自分の子供がいわゆる平均値に達していない部分があると心配でならなかった。
そこばかりに注力してしまい、
なんとか平均値は超えるようにと圧力をかけるようになっていった。
長男は言葉がおそいことに対して、次男は離乳食がまったく進まなかった。
その結果、長男はしゃべる時私を前にすると余計に緊張するようになった。
次男は母乳ばかりで2歳に到達するような食生活になった。
要はプレッシャーをかけすぎである。
 
幼児期の問題は学齢期になり団体生活を経験することで少しずついい方向に向かっていったが、今度は学齢期ならでは悩みもでてくる。
高校受験期になるころには反抗期と重なり
会話が成立することも難しい時期があった。
 
次男を連れ高校見学にでかけ時のこと。
そもそも母親と並んで歩くことも嫌がり、行くときは同じ家からほぼ同時刻にでても現地集合。帰りも現地解散。高校の玄関を出たとたんに感想を聞くまでもなく何処かにいなくなってしまうのだった。そんな感じはそれから後3年は続いた。
 
しかし、そんなツンデレどころかツンツンしか見せない時期に
次男は持って生まれた気質をみせてくれた。
ある日私は仕事で上司からものすごくダメ出しをされた。
仕事上のミスを指摘されるのは仕方がない。しかし、人事考課の場面で普段よかれと思ってやっていたことを真っ向から否定されかなり落ち込んでしまった。
「私この先何を指針としてやっていけばよいの?」と、仕事を続けるかやめるかまでの思いつめようだった。
そんな日であろうと家に帰ったら腹をすかせた子供あり。夕ご飯を作らねばならない。
ところが帰宅して真っ黒な暗雲をドロドロと背おったような私が、
台所にたとうとしている姿をみるや
「今日は近くのラーメン屋さんに行きたい」と次男が言い出した。
 
(へえ、この際その話乗った)とばかりに2人で自転車をこぎだす。
いつもなら現地集合だからあっという間に点のようになりこぎ去っていく次男。
しかし、この日は私の後ろを抜かすでもなく並ぶでもなくゆっくりこいでいる。
そして、食事を終えて帰る時。いつもなら、会計を終えて外にいくとすでに帰路についていないのだが。この日は外で待っていた。そしてまた、私の斜め後ろをゆっくりとペダルをこいでいる。
 
食事中も何か話したわけでもない。ただ、いつも一方的に話す母があまりしゃべらない。
餃子は欠かさないのに欠かした。そのぐらいの変化はあったと思う。
ただ声にだして落ち込みを表現はしていない。
それなのに、ゆっくり見守るように
私の自転車の斜め後ろにひたりとついている。
(この子いつもと違う元気のない私を心配している)その時気づいた。
いつも目もあわさないような生活態度の人なのに。
 
さらに別の日。
亀を2匹飼っている。普段、世話をするのは母である私。
亀の水槽のふたの上に入れ損ねた固形のエサが1個あった。
気づいた私は近くにいた次男に
「そのふたの上にある亀のエサを中に入れておいて」と頼んだ時のこと。
そのまま指先でヒョイと1個いれればよしと思った私を横に、
次男は新たに餌箱から数粒えさを取り出し一緒に投げ入れた。
水面に広がるエサをみてじんわり心が温かくなった。
1つだと2匹で取り合いになり、1匹はエサを食べることが出来ない。
そのことを普段それほど世話していないくせに知っている。
この人はきっと社会で活躍できる。理詰めで人を追い込んでしまう私と違って。
人から好かれるだろう。
優しさだけが仕事をしていく上で重要というものではないかもしれないが、相手の立場を察し行動に移せる能力、人が心地よいと感じることを先回りしてさりげなく気づく能力は貴重である。
 
私にはなかなかできない。だから心がジンとくる。
まさに私にない部分を教えられる出来事だった。
 
こんな次男、現在大学3年生。
もうすぐ、就職活動スタートである。
次男を推薦するのがこのエピソードとなると
単に母親の優しい息子自慢にすぎない。
しかし、資格をたくさん取得しましたというアピールより、
後付けできない本質的な部分を伝えたい。なぜって母だから。
  
ちなみに冒頭ででてきた占い師に次男をみてもらったところ(生年月日で占う)
「この人は仕事ができます。稼ぎますよ」と。
 
仕事ができるってなんだろう?と問い始めると人によって答えは違うだろうが
私は「この人と一緒に又仕事がしたい、依頼したいと思わせる人」
 
今のところ家ではゴロゴロしているだけの次男だが
そんなわけで、社会にでた後の彼の活躍を今からとても期待している。
 
 
 
 
***
 
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2022-06-09 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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