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メディアグランプリ

〈災い転じて福となスピリット〉が、仕事を広く、深く、面白くしてくれた。


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:森本裕子(ライティング・ライブ東京会場)
 
 
仕事観は人それぞれ。
私は自分の仕事観を人に押し付ける事はしたくない。でももし私の働き方が、誰かの何かのヒントになるんだとしたら、言葉にしてみようと思う。
 
まず私は有能な人間じゃないし、苦手な事がいっぱいある。考えるのは好きだけど行動するまで時間がかかるし、要領よく立ち回る事もできない。石橋を叩いても渡らない時もある。
 
それでも目の前で起きる困り事を、なるべくポジティブに捉えて、時間がかかっても前向きに変えていこうとする力は、20代の頃に手に入れたと思う。これを〈災い転じて福となスピリット〉と呼ぶ事にしている。
 
新卒で今の会社に入社した時、私を含めて同期は6人いた。その中で私は、明らかに仕事が遅く能力も低かった。
 
一方、花形商品の開発チームに配属された同期メンバーは、毎日忙しくテキパキと働いていて、エース級の存在感の先輩達に可愛がられ、褒められたり叱られたり。同じフロアで起きている様子を横目で見ていた私は、
 
「同期といっても、こんなに差があるもんなんだな〜」
 
と、社会人のリアルを目の当たりにする所からスタートした。
 
私は商品開発チームに入る事が叶わず、そのサポート業務を担う部署に配属された。後から聞いた話では、採用面接の時も開発チームリーダーの皆さんの手が挙がらず、見かねた部長さんが拾ってくれたらしい。
 
そんな始まりもあって、割と客観的に他己評価が分かっていたつもりである。そして、
 
「早く一人前になりたい」
 
という気持ちを持っていた。
 
まずは仕事が遅いという弱点をカバーするために、1つ1つの仕事をとにかく丁寧に、頼まれた事だけじゃなく、自分の考えを添える。周りの先輩達の話に聞き耳をたて、全てを教えてもらわなくても状況を理解できる様にしておく。
 
こうして、仕事が遅い上に積極的に人に話しかける事が苦手な私でも、できる事を積み重ねていき、1つの仕事から次の仕事を増やす様努めた。
 
入社して半年位たった頃、商品ユーザーのお客様に、電話調査をする仕事が舞い込んできた。話をしたこともないお客様にいきなり電話をかけ相手の了承を得た上で、どんなテレビ番組を見ているか聞き出し、商品コマーシャルを放送する番組を検討する。という内容だった。
 
「知らない人に電話かぁ……」
 
持ち前の内向的性格が顔を出し、ハードル高めの仕事だったが、先輩が電話をかけている様子をガッツリ盗み聞きして、いざ受話器を手に持ち番号をプッシュ! ……私が想像していた何百倍もお客様は優しくて、見ず知らずの新人にいっぱい話をしてくれた。怪訝そうに電話を切る人もいる一方で「がんばってね!」と声をかけてくださる方も。
 
数十人の話をじっくり聞き、気付けば見ているテレビ番組の事だけでなく、お客様がどんな生活を送っているのか少しずつ分かる様になっていった。
 
内向的な私が、お客様の生活や気持ちをもっと深く知りたい! と思う様になったのは大きな変化だった。
 
入社して一年が過ぎた頃、新しい商品開発の話が持ち上がり、私はなんと開発チームに入る事になった。ありがたい事に2人の上司がいたのだが、2人共出張と会議三昧でほぼ離席状態。私が横目で見ていた、先輩達に褒められたり叱られたり、というあの憧れのシーンは、残念ながら私には訪れなかったのである。
 
「一体、何をすればいいの?」
 
右も左も分からないが、発売日は決まっている。とにかくやってみる、というかやらないと間に合わない。
 
キャラクターを使った商品だったので、版権元と何度もやりとりし、試作品を作り直し、商品を製造してくれる業者さんへの依頼書をつくり、パッケージのデザイン、広告撮影の立ち会い……
 
私仕事遅いんですーと言っている訳にもいかず、モジモジしている場合でもない。全て手探りだったから、パッケージ表記は間違える、発売直前に工場からやってきた商品は不揃いでやり直し、見かねた同期や先輩、その他色んな人がいっぱい助けてくれた。
 
結局、私が初めて携わった商品は、発売日に間に合ったものの売れ行きが悪く、失敗に終わった。
 
失敗したのに不謹慎かもしれないが、早く一人前になりたいと思っていた頃の私とは、少し心持ちが違っていた。
 
「一人でできる仕事って、ないんだな」
 
初めて体験した商品開発は、先の見えない暗がりを進んでいく感覚だった。でも仕事を通じた人とのコミュニケーションは刺激がいっぱいで、一緒に取り組む事で視野が広がる瞬間がたくさんあった。
 
そして失敗に終わった商品開発チームは解散となり、きっと元のサポート業務に戻るんだと想像していた矢先、冒頭に書いたエース級の存在感の先輩達が、次々と退職するという衝撃の出来事が起きてしまう。
 
先輩達が去ってしまった後、花形商品の開発チームに、入社3年目の私は配属されることになる。
 
その頃には早く一人前になりたいという思いは、もう消えていた……
常に心に持っていたのは〈災い転じて福となスピリット〉。ガッカリ、ビックリ、イヤーな事、できるだけ前向きに捉えて1つ1つ向き合っていくと、仕事の視野が広くなり、お客様の理解が深くなり、どんどん面白くなった。
 
「災いよ! さぁ、かかってこい!」
 
 
 
 
***
 
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2022-06-09 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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