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ゴムスカート、ぱんぱん事件

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*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:草間咲穂(ライティング・ゼミNEO)
 
 
「ゴムスカート、ぱんぱん事件」、この事件の主人公は、私だ。
 
 
社会人になって2年目の夏。
初めて、スーツメーカー以外で、仕事に着ていくスカートを買った。
 
 
私の就職した会社は、スーツが前提の職場だった。
特に営業職として採用されたため、お客様先に向かう際には女性であってもスーツが基本。
ただ多少女性は崩してもよく、先輩はおしゃれな着こなしをしていて、
入社した時は、いいなぁ……と思っていた。
 
 
2年目に初めてスーツメーカー以外で買ったスカートは、
ベージュの少しテカリのある素材で、社会人2年目の私としては
相当チャレンジブルな買い物だった。
 
 
なぜならば、1年目は常に先輩の目があって、リクルートスーツを脱せなかったからだ。
中学、高校の部活動の先輩を思い出すぐらいに厳しい先輩がいて、
少しでも崩した格好をすると、「まだ早いんじゃない?」と諭すように言われた。
 
 
反抗するほどのおしゃれ意欲もなかったし、
新人であることを強みにした方が、新規獲得の営業職においては何にかと便利だった。
新人です、というだけでお客様が耳を傾けてくれる事も正直多かったからだ。
 
 
だから特に気にもせずに、リクルートスーツを貫いていたのだが、
2年目となり、「新人です」の話題が通用しなくなったところで、
少しづつ、インナーから、カバンから……と崩していった。
 
 
最初はシャツの色から地味に変えていっていたのだが、
夏のボーナスで思い切ってた買い物をした。
それが、ベージュの少しテカリのある素材のスカートだった。
 
 
 
 
しかもスーツのメーカーではない、ユナイテッドアローズというお洒落メーカーでの購入。
それだけでドキドキするぐらい、少し社会人としてレベルアップ気さえしていた。
 
 
早速購入した翌日、
切るものが違うだけで、こんなに気持ちが違うのか!と思った。
 
 
絶対に誰も見ていないのに、勝手に見られているよ様な大きな気持ちになって、
少しだけ背筋を伸ばしながら、足軽にオフィスを歩いていた。
 
 
その時、「草間っ!」と声をかけられた。
振り向くと、役員の一人がそこに立っていた。
 
 
その役員とはこれまで、いくつか営業の同行で一緒になったりと接点はあったが、
特段に近いわけでもなかった。
 
「草間っ!」と呼び止められて、「はいっ!」と反射的に答えると、
 
「今日、横浜営業所の西野と遠山と食事に行くが、草間も来るか?」
 
と聞かれた。食事に行って懇親を深める、という文化が強い会社だったが、
2年目で役員に直接誘われることはあまりない。
 
そこで、「はい!もちろん行きます!」とこれまた反射的に答えた。
 
「何か食べられないものはあるか?」
 
次にそう聞かれた時に、私は全く覚えていないのだが、
 
スカートのお腹のところに手を入れて、
2回前に引っ張って引っ込めて、
 
”ぱんぱんっ”
 
と動かしながら、
 
「なんでも食べます!!!!」
と、言ったらしい。
 
 
これが「ゴムスカート、ぱんぱん事件」だ。
 
その翌日、同期から電話が掛かってきた。
 
「川本さんから聞いたけど、草間……ゴムスカートなの?」
 
営業所ですれ違った先輩からも言われた。
 
「ゴムスカート、ぱんぱん事件、聞いたよー」
 
 
なぜか、翌日にはその「ゴムスカート、ぱんぱん事件」が全国に行き渡っていたのだった。
なんだか履いて行きづらくなり、そのスカートは1日でお蔵入りをしてしまったことは言うまでもない。
残念ながら、その後本当にそのスカートは普段着と化してしまった。笑
 
 
ただ、その代わりに「ゴムスカート、ぱんぱん事件」のお陰で色々と全国から声を掛けて貰うことも多くなり、いわゆる全国で認知というものが上がった。
それは単なるいじり、ではなく、それはきっかけに情報量が増え、仕事にも繋がり、色々な事が2年目にして好転をしていった。
 
 
実は、その役員には結婚式の主賓の挨拶までしてもらった。
挨拶の冒頭は、当然の様に「ゴムスカート、ぱんぱん事件」から始まって、
案の定会場は、苦笑も混じった大笑いに包まれていたが、
それ程までに、とても良くしていただいた。
 
 
これは、役員に若手の営業がセクハラをされて困った話ではない。
私は全くそういうことを気にしなかったし、
その役員もそれをわかっていたからこその話だ。
かといって、役員に気に入られた女性営業がその自慢をしたいという話でもない。
 
 
実は、私はその役員と仕事をする時が一番緊張した。
 
近い存在になったからこそ、慣れてしまって甘えてしまう、
という逆だった。
 
それは共通した「笑い」があるからこそ、近い存在に感じ、
まただからこそ、失いたくないと思う。
仕事においても、馴れ合いではなく、知っているからこそ、真剣にやろうと思う。
 
そんな緊張感を関係性にもたらした、という感覚である。
 
その職場を離れてもなお、誘っていただいたり声をかけていただいたり、
今でもよく連絡を取らせていただくが、
常に恥ずかしくないようにしたいと思わせてくれる関係性がそこには出来上がった。
 
「ゴムスカート、ぱんぱん事件」という
なんだかよく分からないきっかけだったが、それを通じて今感じていること。
 
それは、使い古しても思いっきり笑い合える、共通した経験が、
信頼と緊張感とを同時にもたらしてくれる。
 
色々なタイミングがあるかもしれないが、今の私がいる場所で、そんなきっかけは作っていきたい。そして緊張感と信頼のある関係性を作っていきたい、そう思う。
 
 
 
 
***
 
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2022-06-15 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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