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メディアグランプリ

メキシコ料理店で感じる札幌


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:原亜美多(ライティング・ゼミ6月コース)

札幌で2年半住み、散々呑み食いしていた私。
札幌に帰ると必ず行きたいと思うレストランがある。

札幌凱旋旅のできるだけ初っ端に立ち寄って、いち早く北海道の空気を自分に補給したいと思える、札幌らしさに溢れた店だ。

と話すと、大体の人から「今度の旅行でぜひ行きたい! ジャンルは北海道郷土料理? ラーメン? ジンギスカン?」と期待を込めた目 で聞いてくれる。しかし、「メキシコ料理だよ」と伝えると「……へぇ。そっかぁ」と微妙な空気になるのもセットの展開だ。
でも、私にとっては、札幌の良さがぎゅっと詰まっていておすすめしたいお店なのだ。

まず、お店の立地が札幌らしい。
立地、つまりお店に向かうまでに感じる街の様子というのは、前奏のようなものと思っている。お料理というお店の世界観を一番に感じるサビに向かって徐々に気持ちを高める過程だからだ。今向かっているお店は、狸小路という札幌中心部の東西に伸びるアーケード商店街の一番端っこに位置している。
狸小路の中心である3丁目4丁目あたりは、ドラッグストアやカフェなどチェーン店が軒を連ねているが、西に向かうにつれて徐々に個人店の割合が多くなってくる。小規模なお店がこれだけ集まっているというのが、素敵なポイントで、「日本のどこ切り取っても、チェーン店で埋められた同じような景色が広がる」という悲しい状況に全てが呑まれきれてない札幌の良さが現れている。
お店への道中でも札幌の良さを感じるなんていい感じだ。

目的のお店のある7丁目まで行くと、それまでの明るい光ではなく、昔ながらのアーケードによく見られるオレンジ色の街灯の下、輸入ビール専門居酒屋だったり、やってるのかやってないのかわからないアジア料理の店などの個性的なお店が点在するようになる。かなりディープで自由な雰囲気だ。

この周囲の環境を見ても、目的地がかしこまったお上品なお店ではないことが予想できるかと思う。

さて、やっと入店。
カウンターとテーブル席が3、4組程度の小さな店内はカラフルで、メキシコ雑貨でよく見る陽気なガイコツや、色とりどりのお皿が飾られていて、メキシコの音楽がガンガンにかかっている。周辺店舗に負けず、独自の世界観を自由に突き進んでいるようだ。

席に座ると、いつものお姉さんが注文を取りに来てくれる。
「じゃあ、タコスとタコの炒め物と……」
「あーごめんなさい! タコは今日売り切れちゃったんです」
というやりとりをしていると、店長であり料理担当のお兄さんが
「ごめんなさい! でも、それ以外のメニューだったらすぐにお姉さんのために作れるんで!!」と満面の笑みでカウンター内の厨房から首だけこちらに向けて声をかけてくれる。

このフレンドリーさ、札幌でよく感じる。住む前は、北国の勝手なイメージで「物静かな方が多くて、もしかしたら排他的な地方性があったらどうしよう……」と不安だったが、実際は、にこやかに対応してくださり、すぐに仲良くなれる方が多かった。素直で温かみのある接客をしているお店も多い。移住者や観光客が多い土地柄だからか、他人を暖かく受け入れる土壌が育まれれているように思える。この感じも札幌の好きなところだ。

そして、接客の感じや価格帯からも商売っ気があまり感じられないのも、札幌感がある。この商売っ気のなさが、札幌とこの店の一番の特徴と思っている。
とにかくこれまで会ってきた人が、金銭的に欲がない人ばかりで「無欲」というのが、私の思う札幌像の一番のイメージなのだ。「自分の好きなことを自分のペースでやってます」という感じで、のんびりとしている人が札幌には多いような気がする。そして、自分自身も札幌に住んでそんな志向に変化したほど、この市民性が心地良い。

店内でたまにかかる子供達の歌うメキシコソングのBGMもそんなピースフルな気持ちにぴったりだ。

確かに東京の方がはるかにメキシコ料理屋さんはあるだろうし、きっと単純な味だけで言ったら他にも良いお店があると思う。
でも、個人個人が自由にやって輝いている商店街の中で、温かさ溢れる店内で美味しいご飯を食べていると、”こうしなきゃ”というあくせくする気持ちがなくなってくる。そんなお店は私にとってはそうないし、都内では余計探すのが難しい。

もちろんそんな大袈裟で大層な分析でこのお店が好きなわけではない。
今まで、いろんな人とこの店を訪れ、楽しい夜が積み重なってきたからというのも大きい。
ここで初めて会った人と話してるうちに「え? ○○さんのお知り合い?!」と共通の知人が判明したこともあった。「札幌では偉い人でもすぐに出会える」と言われるコミュニティの小ささも、札幌あるあるで、コンパクトシティ札幌らしさを感じた思い出ではある。やはり札幌の良さとこのお店を重ねてしまう。

おすすめしてもそのプレゼンが通ったことがないが、札幌に行くことがあれば、立ち寄ることをおすすめする。その時、表層の「メキシコ」にとらわれず、その街並みや空気も感じて欲しい。そうすれば、札幌の街のグルメタウンだけではない素敵なところを発見できると思う。

***

この記事は、天狼院書店の大人気講座・人生を変えるライティング教室「ライティング・ゼミ」を受講した方が書いたものです。ライティング・ゼミにご参加いただくと記事を投稿いただき、編集部のフィードバックが得られます。チェックをし、Web天狼院書店に掲載レベルを満たしている場合は、Web天狼院書店にアップされます。

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2022-06-22 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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