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ケチ神と呼ばれるドケチが『ちいかわ』に出会ったら


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記事:田原亜美(ライティング・ゼミ6月コース)
 
 
私はケチだ。
 
「節約が趣味です」とか、そんな可愛いものではなく、お金を使うことに罪悪感を感じるガチ勢である。
靴は穴が開くまで履き潰すし、どんなに喉が乾いても帰り道であれば唾を飲み込み飲み込み我慢する。
こんな感じなので、家では”ケチ神”と呼ばれ、「八重洲から銀座三越まで行くのに電車に乗りました」なんて言ったら「どうしたの?!」と同僚にも驚かれる始末だ。
 
そんな私にとっては、今流行りの推し活なんて愚の骨頂。
一生かけて愛せる可能性の低いコンテンツにお金を投資するなんて、将来のことを考えない人が陥る意味のないことだと思っていた。
 
そう。思って”いた”のだ。
あのお目々くりくりのシロクマ(諸説あり)と猫とうさぎの漫画・『ちいかわ』に出会うまでは。
 
価値観を変える出会いは仕事上でだった。用あって『ちいかわ』リサーチすることになったのだ。その時、知っていたことは、ものすごく流行っているということだけ。
いや、正確には、イラストもTwitter漫画だということも知っていたが、どう見ても女児向けのゆるキャラだし、かわいすぎるその絵柄があざとくて好きになれないと、わざわざ道を通らずきたという感じだった。なんなら、「あれって、”かわいいものをかわいいと言う私がかわいいでしょ女子”が好きなヤツでしょう?」と小馬鹿にさえしていた。
 
ただ、仕事なので仕方ない。まずはTwitterにあがっている原作にあたった。
 
まず読んで思ったのは、「かわいい」。
いや、「かわいいしかないだろ」ってくらいかわいい。
二頭身の純粋無垢な動物たちがキャッキャやってるんだからかわいいに決まっている。子供を見守っているような気にもなり、ちょろいやつに思われちゃうが、もうこの時点でちょっと好きになった。
 
さて、かわいさはわかった。しかし、良さはかわいいだけじゃないとGoogle先生は言っている。「切なさと、考察の楽しさについて注目せよ」とのこと。
 
基本的には一話完結ではあるものの、ちょっとシリアスな連続物もあるようで、その中でも人気らしい「草むしり検定編」をまとめサイトで読んでみた。
 
泣いてしまった。
 
草むしり検定という資格試験をちいかわとハチワレが受験。後から勉強したハチワレだけが合格してしまい、合格発表の場で気まずい空気が流れる。その次の日、ちいかわはハチワレに合格祝いを持っていく。
そんなシンプルな話ではあるが、最後のシーンにはスマホ画面に水滴が一粒落ちてしまった。
まず、シチュエーションが切ないのだが、登場人物二人の純粋さとまっすぐさで、「あるある」が苦笑いにもできないほどダイレクトに切ない悲しみを与えてくる。
さらに、二人がピュアすぎて、対比で自分の汚れきった心を思うと更に辛くなってしまう。
 
これは、子供向け漫画ではなく、いろいろと経験した大人向けの漫画だとわかった。
となると、なおのこと自信を持ってハマれる。
 
結果、気づいたらLINEスタンプを買っていた。
いやいやいや。LINEスタンプという贅沢品を買うだなんて、これまでの私にはありえないことだった。
しかし、『ちいかわ』を日常に取り入れたい気持ちがケチ心に勝り、ポチッとしてしまったのだ。
 
続いて、Google先生の教えの通り、考察勢のサイトを漁る。
確かに、読んでいく中で、「これってどういうこと?」と疑問に思う設定が作中にはたくさん出てくる。
そもそも物語の舞台という根幹の部分も、人類が滅亡した後の第二の文明を表しているだの、人間の死後の魂の行く場所だのという考察もあったりするほど、よくわからない説明不足の世界観なのである。
しかもその考察のどれもが本物っぽいことを言っているので、その推理も楽しいし、なんとなく厨二心をくすぐられて、考察沼にどっぷりとハマっていった。
 
この時点で、自然とちいかわ構文が口から出るようになり、
「ワッ……!」「◯◯ってコト……?!」
と言っては、周りから引かれることが多くなっていった。
 
普通は、ここまできたら、「グッズの購入に」というネクストステップに進むはずである。が、まだケチ神の精神は残っていた。
「絶対に家に転がるグッズを見て後悔しないように、グッズには手を出さないぞ」
と誓っていた。
 
さて、その誓いが試される日がやってきた。自分の目の前にグッズがやってきたのだ! しかも着ぐるみとアニメを連れて!!
 
ディズニーランドの『プーさんのハニーハント』で動くプーさんの可愛い姿を散々見せつけてきた後に出くわす、プーぬいぐるみの山でも陥落しなかった私。
オーストラリアで生きたコアラに触れた後に見つける、ここでしか買えないコアラのぬいぐるみでも陥落しなかった私。
 
そんな私も、『ちいかわ』は見事落としてくれた。
かわいいアニメの声と、グッズ化されてもイラストのかわいらしさが損なわれることないぬいぐるみの瞳が、私をレジへと運んでしまった。
ケチ神の名が廃れてしまったが、「このトキメキって大切なんじゃない?」という楽しい気持ちがまさった。
 
その後も、『ちいかわ』の文字があれば、ケチ神がどこかへ行ってしまう。コラボカフェで高いお金を払っても、しまむらで「これどこで使うのよ」というコラボ商品を買っても楽しいしかない。
 
『ちいかわ』と出会ったことで、ケチ神というこれまで誇ってきたアイデンティティーが一部失われた。でも代わりに、今しかない楽しみかもしれないけど、それでもお金に換える価値のあるなんだか素敵な感情があることに気づかせてくれた。
 
 
 
 
***
 
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2022-09-14 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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