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禁止は逆効果?育児方針は高級チョコレートをヒントに

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*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:Kasumi(ライティング・ゼミ8月コース)
 
 
あれは、まだ幼稚園児だった頃。両親と私の3人で車に乗ってドライブしていた時のことだった。
ふいに、助手席にいる母親が高級チョコレートの箱を取り出し、父親と一粒づつ口に放り込んだ。
 
「それなあに?」
 
てっきり後部座席で眠っていると思った娘から声をかけられて、両親は焦った。そして、高級チョコレートの味を、まだ幼い娘の舌に覚えさせてはならないと、とっさにウソをついたのだ。
 
「これはね、子供には毒なんだよ」
 
この時の両親の言葉を信じ、私は小学校に上がってもしばらくは、チョコレートを食べずに育った。・・・・・・らしい。
 
実は私は、この時の出来事を少しも覚えていない。わりと大きくなってから父親から聞かされたのだ。
 
そして、この時の体験が元で今の私は、家族から”チョコレート狂い”と言われるほどのチョコレート好きになってしまったのではないか、と思っている。
 
私が初めてチョコレートを毒ではないと知ったのは、妹がキッカケだ。
 
妹が幼稚園に上がった頃、今度は家族4人でドライブに行った。毎年お歳暮か何かでいただく高級チョコレートを再び持ってきていた両親は、ドライブのお供にまた2人でチョコレートを食べ始めていた。
 
私がチョコレートをねだらなければ、妹もねだらない。両親は、再び2人だけで高級チョコレートを味わっていた。
 
「それ知ってる。おいしいんだよ」
 
2人で大人の味を楽しんでいた両親が、妹の言葉で固まった。
 
「えっ? だって毒だよ?」
 
チョコレートは、子供には毒だとまだ信じている私が、びっくりして聞き返す。
 
「この前友だちのお家で食べたらおいしかった」
 
後部座席の幼い姉妹の会話を聞いていた父親は、この時笑いを堪えていたらしい。
なんて父親だ。
とは言え、当時両親は30前後。自分の30前後の頃を思い浮かべてみれば、まあそんなものかもしれない。
 
幼い私は、妹が「おいしい」と言ったつややかな一粒に恐る恐る手を伸ばし、おっかなびっくり口に運んだそうだ。
 
「・・・・・・おいしい」
 
小学生にして生まれて初めてチョコレートを口にした私の顔は、本当に幸せそうだったという。
 
今の私は、まったくこのチョコレート事件を覚えていない。
けれど、チョコレートを食べられなかった期間の反動なのか、今は冷蔵庫にチョコレート「だけ」は常備するほどのチョコレート好きに育ってしまった。
 
タバコは吸わず、お酒もあまり飲まない。
カップ麺やファストフードはごくたまに。
1日1食は玄米を食べる健全食生活。
 
元は予防医療を仕事にしていたので、尚更食事にも気をつけている。
けれど、嗜好品のチョコレートだけは、どうしてもやめられない止まらない。365日つまんでいる。
 
最近、SNSでこんなツイートを見かけた。
 
「幼少時に炭酸ジュースを禁止されて育った嫁は買い物の度に必ず炭酸ジュースを買うし、アイスを禁止されてたからアイスは絶対買うし、練り物も禁止されていたので練り物も必ず買うし、餅とあんこばかり食わされていたせいで餅とあんこは絶対食べないので、世の中のお母様達はマジ気をつけて下さい」
 
子供のためを思って禁止する事が、必ずしも良い結果を招くわけではないと考えさせられる投稿だった。
 
幼少期に抑圧されていたものは、大人になってから爆発するのではないかと思う。私の場合は、チョコレートを禁止されていた訳ではないし、当時の出来事は完全に忘れていた。
でも、心の奥では、チョコレートを抑えられていた事に対する何らかの感情が渦巻いていたのではないか、とすら思えてくる。
 
チョコレート以外はというと、あまり抑圧されていたものは無かったように思う。両親の教育方針は、基本的に放任主義だ。勉強しなさいとは一度も言われたことが無く、やりたいと言ったことは大抵やらせてもらえている。
だからか、今でも勉強に苦手意識は無く、やりたい事は何でも実行して叶えられると思っている。
 
抑えつけられなかった事は、自ら学ぶものと放棄するものを取捨選択できたのだ。ただ、好きな物事には時間もお金もかけるけれど、苦手なものはサッパリ取り組まなかったが。
 
自分の子供に添加物は食べて欲しくない。
バランスの良い食事を心がけて欲しい。
勉強は自主的に楽しんでしてほしい。
 
そう思うなら、やってもらいたい事を強制はせずに、子供が自主的にやりたくなるようにした方が良いのだろう。
 
私の親は、私に高級チョコレートの味を覚えさせたくないが為に、ウソをついてしまった。
結果的に、私はチョコレートを禁止された状態になったのかもしれない。
 
チョコレートのウソで親を恨んだりなどは全く無い。両親のことは大好きだ。今はチョコレートを食べる事ができているし、大抵のことは好きにさせてもらえ、感謝している。
けれど、たまたま見かけたSNSの呟きを見て、後から聞かされたチョコレート事件の話を、ふいに思い出したのだ。
 
自分がどうしてもやめられない物事は、子供の頃抑えられていた物事だったのかもしれない。
今、何の制限もなくできている物事は、子供の頃好きにさせてもらっていた物事かもしれない。
 
自分が子育てする側になったら、気をつけたい。
育てる側の世代になった今は、そう思う。
 
 
 
 
***
 
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2022-10-12 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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