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とりあえず真ん中を探せ


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:武山世里子(ライティング・ゼミ9月コース)
 
 
「私、自然の中で体動かして、気持ちのいい汗流したい」
「私はアートに触れたい」
 
友人と久しぶりに2日の休みをとって、一緒に旅行に行くことにした。
私も友人もまともに泊りがけの旅行に行くのは久しぶりで、
今回の旅行は「今まで行けなかった分を取り返す!めっちゃ楽しんでやる!」と意気込んでいた。
あれこれとやりたいことを出し合った。
しかし、見事に、お互いのやりたいことがバラバラだった。
それぞれが自分のやりたいことの詳細を説明したが、やりたいことがお互い変わることはなかった。
 
話をしていると、楽しく友人と過ごせればいいかと思うようになった私は、自分のプランがどうでもよくなり、友人のプランで旅行のスケジュールを組もうと提案した。
私たちは、美術館やその周辺のギャラリーを見て、おいしい食事をし、温泉に入って2日間を過ごした。
私としては、友人のプランでも十分に楽しむことができた。
 
しかし、友人の様子がどうも気になった。
二人で自分のやりたいことを出し合っているときは、ものすごい熱量で楽しそうに自分のプランについて話していたのに、旅行中、どこか私に遠慮して、自分が楽しいかどうかより、私が楽しめているかの方が気がかりのようだった。
そんな彼女を見ていると、彼女が100%で楽しめていないことを残念に感じた。
 
ああいう場合、どうすれば、二人ともが100%楽しめたんだろう、、、
旅からの帰りの車内で、ぼんやりそんなことを考た。
 
 
「真ん中で出会うのよ」
これは、私がデンマークの薬物依存症の施設で実習をしていた時に、スーパーバイザーが私に言ったことだ。
 
デンマークはゆりかごから墓場まで、医療や福祉、教育のすべてが国民に無料で提供される。高い税金を払うが、それがすべて自分の生活に還元される。
デンマークは常に、「幸せな国ランキング」の上位国だ。
 
しかし、この幸せな国にも、影はあった。
薬物依存が深刻で、親の依存症が子どもにまで大きな影響を与えていた。
そんな薬物依存症対策の一つとして、ヘロインの代わりに同じ効果のある医療的に認可されたより安全な代替薬物を、街角で無料で配っていた。
 
無料で薬物を提供する代わりに、それをもらった人の名前や連絡先をもらう。
そうすることで、依存症の人を把握し、継続して関わり、治療につなげていくのだ。
薬物を禁止しても、依存症者は隠れてしまうだけだ。
薬物使用がなくなるわけではない。
少し安全な薬物を配って、彼らを治療につなげる方がずっと依存症対策としては有効だ、ということらしい。
 
「薬、無料で配ってるよ」と、中年女性に声をかけた。
「薬ちょうだい」とすぐに近づいてきた。
「薬受け取るんやったら、このフォームに名前とか書いて」とお願いした。
彼女は抵抗なく、住所や電話番号を書いて渡してくれた。
電話番号が本当かどうか、携帯でその場で彼女に電話をした。
間違いなく、彼女の携帯が鳴動した。
次の配布日も彼女に伝えた。
「また来るね」と言って、代替薬物をもって去って行った。
 
薬物依存者に薬物を渡し、その代わりにつながるための情報をもらう、、、
依存症者と治療者が「真ん中で出会う」とはこういうことなのよ、と教えてもらった。
 
目の前の人と意見が一致しない、見ている方向が違う、異なる立場である……
日常ではこんなことがいっぱいある。
この状況の中での「真ん中で出会う」はどういうことなのだろうと考えてみたら、案外意見や方向性の違う人ともうまくやっていけるのかもしれない。
 
 
友人との旅行での「真ん中で出会う」を改めて考えてみた。
私たちは、一人の希望を無かったことにして、もう一人の希望のみで旅行の中身を決めてしまった。
それが理由で対等な気持ちで旅行を楽しめなかった。
「真ん中」ではなかった。
ある程度の年齢になると、どうしても「社会性」のようなものが身に付き、自分さえよければではいかなくなる。
 
いいプランを思いついた。
「真ん中」のプランだ。
しまなみ海道の尾道から今治まで、レンタサイクルで移動することができる。
6つの島が橋で結ばれ、サイクリング用の道がきちんと整備されている。
しんどくなったら、各島にある自転車のステーションで、自転車を乗り捨て、バスに乗り換えることができる。
そして、途中の島には、有名な美術館があるのだ。
レンタサイクルでその美術館に行く。
ああ、これは何ともワクワクする旅ではないか。
 
早速、友人に話をしてみた。
「めっちゃええやん!次それにしよ!」
と友人もノリノリだった。
 
 
 
真ん中を考えるって、けっこう新しいアイデアが出て、もっと面白くなるのかもしれないと思った。
 
 
 
 
***
 
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2022-11-30 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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