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ラジオ体操が教えてくれたこと


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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:タイガーたいぞー(ライティング・ゼミ8月コース)
 
 
「この建屋で、もうラジオ体操はできないかもしれない……」
 
東日本大震災の数ヵ月後、神妙な表情で上司が私に話してくれた。
当時築30年の4階建ての社屋は、大地震では何とか持ち堪えたのだが、さらに激しい衝撃を加えるのは良くないらしい。「ラジオ体操ぐらいの衝撃は大丈夫でしょう!」と反抗したくなったが、私は言葉を飲み込んだ。皆、疲れ切っていたから、無駄な争いはしたくなかった。
 
結果として、ラジオ体操は「3.11」に封印されたまま。
 
さらに、2021年2月、2022年3月の東北での大地震を受けて、建物は風前の灯火で、もう、カウント9で何とか起き上がったボクサー状態。3階で働く者にとっては、震度3の地震であっても、震度4~5に錯覚してしまうほど、面白いようによく揺れる(笑い事ではない)。
 
もう、永遠に「ラジオ体操」はできないのだろうか?
私にとって、「ラジオ体操」は命の恩人であるというのに……。
 
 
先月、3年ぶりに営業所に行く機会があった。
朝礼から参加させてもらったが、そこでは何と「ラジオ体操」の時間があったのだ。さすがは新築3年!
もう、11年ぶり! 体は、不思議と忘れずに覚えているものだ。
私は本気で、全力で「ラジオ体操第1」をプレイした。
 
クライマックスのジャンプでは、もしかして「トランポリン」を使っているんじゃないのかと周りが錯覚するほどに空高く舞った!
最後の深呼吸は、自分史上、最高にマインドフルネスな時間。とことん、自分の呼吸にフォーカスしていた。
 
感動の再会。ラジオ体操よ、ずっと会いたかったよ!
できることなら、マスクを付けずに楽しみたかったよ!
 
 
幼い頃、私は「病弱」だった。
小学生の時は、すぐに風邪をひいてしまい、結構な頻度で、学校を休んでいたと思う。さらに、年に何回かは入院するほど、パジャマがよく似合う弱男。
 
私の両親は、自営業で「饅頭屋」を営んでいたため、朝から晩まで汗水流して働いてくれていた。弱って入院することになっても、実は、嬉しい気持ちもあった。大好きな母を独り占めでき、甘えることができたからだ。
 
貧しい家庭だったはずなのに、入院中は大好きな「漫画」を買ってきてもらえた。低学年だったので、「どらえもん」や「パーマン」などの藤子不二雄漫画をよく読んでいた記憶がある。とはいえワガママは言えない。数冊だけ買ってもらい、何度も何度も擦り切れるほど読んでいた。
 
点滴を受けながらの読書、片手でページをめくるのが不自由ではあったが、母が看病してくれている病院のベッドは、世界中で一番の安心できる場所だった。
 
小学校4年の夏の出来事。あの夏のことは今でも鮮明に覚えている。
その年は、珍しく体調が良くて、病院ではなく、娑婆にいれたのだ。
奇跡的に、元気な状態で夏休みを迎えることができていた。
 
学校から配られた1枚のカード。
それが「ラジオ体操」のスタンプカードである。
 
去年までは、朝のラジオ体操まで休んでしまっていたので、「今年こそは、このカードをスタンプで埋め尽くしたい!」と心から思ったのだ。
10歳の少年の微かな野望、何としても叶えたい! 今ならイケる気がする!
 
ラジオ体操は、10日間程度の日数だったが、毎日毎日、早起きをして、近所の保育園の広場まで通い、ついに、ついにコンプリートできたのだ!
私の人生における、記念すべき、はじめての成功体験である。
 
大人になってからは、不思議なもので、健康体になった。
特に、ここ5~6年は、人生の折り返しを感じて、「心技体」につながる習慣を大事にするようになった。もしかすると、あのラジオ体操のスタンプを押してもらう体験が、毎日毎日、小さな習慣を大切にするきっかけになっているのかもしれない。
 
ラジオ体操は、1928年に「国民健康体操」として始まった。しかし、第二次世界大戦で日本が敗戦国となり、GHQから軍国主義的であるという理由で、廃止されてしまう。しかし、一度は死んだラジオ体操は、復活を望む国民の声が政府やNHKに数多く寄せられるようになり、1951年、ついにラジオ放送が再スタートしたのである。
 
まさに国がこの体操を継続させようと決断してくれたことで、皆勤賞とは無縁だった少年が、10日間だけだったとはいえ、継続する喜びを味わうことができたのだ。
 
毎日続けている習慣には、「早起き」「瞑想」「スクワット100回」「読書」「英単語学習」「散歩」などがある。習慣を大切にする理由は、1日の終わりに達成できたことを記録し終えた時に、ラジオ体操終了後にスタンプを押してもらえた感動と同じ感覚を得られるからだ。
「今日も1日、お疲れ様!」と、自分で自分にオッケーを出しているような感覚。自己受容のための時間、今の自分には無くてはならない「ふりかえり」と言ってもいい。そこには、安定した秩序がある。
 
一日一生、今日1日を精一杯生きたか? 少なくても、すべての習慣をやり切った1日は、少しだけ昨日の自分より前に進めていると思える。
さらに、毎日毎日スタンプが押されていくことで、あの日の10歳の少年に「今は健康で楽しんで生きているよ!」とメッセージを送っている気がしている。
 
11月29日、我が家は、新型コロナウィルスに侵された。
息子2人は、39℃を超える高熱にうなされた。彼らを部屋に隔離したときには、時すでに遅し。私の喉が破壊されるには、そう時間はかからなかった。
数日、寝たきりになってしまい、人生の習慣スタンプカードに空白ができてしまった。
 
しかし、何の迷いはない。
また0から積み重ねればいいだけの話。すでに、微差を積み重ねていくあの感覚を心身が覚えてくれているのだ。
 
戦後、ラジオ体操が再び蘇ったように、私もまた健康ライフを再開させたい!
「習慣」を再度継続して、なりたい自分に近づいていこう。
 
もちろん、いつまでも健康でいれる保証はない。
「病気」の苦しみは、何度も何度も味わった。だからこそ、今日1日、健康で入れることをとことん噛みしめて、丁寧に生きていきたい。
 
あの日、ラジオ体操が教えてくれたこと。
「続けることの大切さ」、そして、「健康の有り難さ」。
それからもうひとつ。大事に育ててくれた「両親への感謝」である。
 
 
 
 
***
 
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2022-12-14 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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