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私が「仲人」を天職だと思う理由


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:鈴木結美子(ライティング・ライブ名古屋会場)
 
 
私の職業は「仲人(なこうど)」だ。
結婚相談所の仲人といえば写真を持ったおばちゃんが「この人良い方なのよ〜」「1度会ってみなさいよ〜」と、ぐいぐい圧をかけるのをイメージするかもしれない。確かにそういうスタイルは今も存在する。
 
だが、大半のイマドキ結婚相談所では、だれかがお膳立てするのではなく、本人が相手を選ぶ。昔ながらの仲人同士でお見合いを組む「手組み(てぐみ)」も時にはやりつつ、基本的には本人がスマホアプリで申し込み・あるいは申し込まれてお見合いが成立する。
 
じゃあ仲人は日々、何をやっているのか。主な仕事は、お見合いをして交際へ進んだ2人がプロポーズをする・されるまで、双方相談所で連携をとりながら道案内をしている。交際がうまくいくかどうか、仲人次第で結果が変わることも多い。ご縁を結ぶ「さじ加減」が大切となる。
 
ここまで読んで、仲人をしているぐらいだから、人のお世話がとても好きなのだろう、と思ってくださっているかもしれない。
 
もちろん、人と話すのが好き、笑顔を見るお手伝いができるのが好きだ。だが、無類の世話好きかといわれると、ちょっと違う。
 
私は新卒で銀行に勤め、高校時代からの彼と結婚、寿退職。26歳だった。その後は、2人の息子に恵まれ、扶養内パートとして子育て中心の日々を送る。
 
そして、夫とどうにもこうにも価値観が合わなくなり、詳細は割愛するが離婚することになった。望んだのは自分で円満離婚だったが、なんせ経済力がない。40代での就活は難航した。涙なしには語れない。それでもなんとか17年のブランクを経て正社員として就職したのが、結婚相談所だった。
 
この時点では仲人が天職だなんて夢にも思っておらず、なにがなんでも一家の大黒柱として息子を育てねばならない、だからクビになるわけにはいかない、との気持ちで取り組んだ。
 
結婚相談所の仲人として、会員様の相談にのる日々が始まる。具体的には、何を着たら良いか、LINEの返事はどう書けばよいか、デートの場所、気持ちの伝え方、プロポーズの段取りなど。
いろんな角度からの相談が次々とやってくる。先輩に教えてもらったり、社内研修で学ぶのに加えて、話し方・聞き方・心理学などの婚活関連の本を200冊は読んだだろう。コツコツ知識をつけ整理をし、インプットとアウトプットをくりかえし経験を積んでいくと、成婚の数は着実に伸びていった。嬉しかった。
 
この仕事も職場も好きだなぁ、と夢中で働いていたら、表彰されたり、賃金も職位もあがっていった。
 
ただ、組織の中で働くうち、47歳にして明確に気づいたのだ。
 
私は、今やっていることを中断されるのが致命的に苦手だ。
 
苦手というのはどういうことかというと、何かやっていても、別のことが起こると最初にやっていたことを忘れてしまう。今まではパートだから、なんとなくごまかせていたけれど、正社員となるとそうもいかない。
 
脳の中のワーキングメモリが平らなお皿だと想像してみてほしい。やるべきこと、必要なことがそのお皿にのっている。私の平皿は人よりとても小さい。たくさんはのらないし、追加で他のことが入ってくると、もともとのっていたものが、こぼれ落ちてしまう。そしてこぼれ落ちたことにも気づかないから、やり忘れやミスがしょっちゅう起こる。
 
相談所の仕事は、デスクワークが多く、会員様や相談所へのメッセージをPCに向かい1日に何十件も書く。集中して書いていると、電話が鳴る。来客対応、社内メールにチャット、後輩、先輩、上司、他部署や他社とのやりとりが入る。中間管理職になり、さらに仕事が中断する回数は増え、優先すべき緊急対応があちらこちらから舞い込んでくる。
1つ1つのコミュニケーションは好きなのだが、それが色々な方向から同時に入ると処理ができなくなってしまう。
 
なんとなくそういう傾向があるとは思っていたが、この歳にして確信へと変わったといおうか。
 
能力を通知表の5段階に例えてみると、私の場合、人より得意で上手にできること、通知表なら5なのがマンツーマンで人と深く関わることだ。一方、いくつかのことが重なった時の対応に関しては、元々していたことを忘れてしまうので1である。
 
自分でも忘れてしまうことはわかっているので、努力や工夫でカバーをし、何とかならなくもないのだが、ミスしないようにと、すごい集中力で臨むからぐったり疲れてしまう。
 
20代、30代なら無理もきくだろう。だが50歳が近くなり、このまま組織で働き続けるのは難しいかもしれないと思った。1や2をなんとか3にしようとするのを、やめることにした。
 
その代わり、人が好き、マンツーマンで話すがの好きだという5がとれる能力を、6や7に伸ばすことを選んだ。
1や2が3になっても普通でしかないが、5が6や7になれば、それは人より突出したものになるから、仕事になる。
2022年、安定した会社を退職し、個人で独立開業、今に至る。
 
仲人が天職だと決めたのもこの時だ。
 
だから、自然に「天職」になったのではない。
まさか私が結婚相談所を運営するなんて、5年前まで思ってもみなかった。
「私が仲人を天職だと思う理由」の答えは、「自分で決めたから天職になった」である。
そんな仕事に出会えたのは運が良かった。そしてこの仕事が好きだ。日々巡り合わせに感謝している。
 
 
 
 
***
 
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2022-12-14 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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