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メディアグランプリ

「戸締り」で「解錠」しました


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:やまもと ゆみ(ライティング・ライブ福岡会場)
 
 
休日、いつものように食料品の買い出しに近所のショッピングモールへ。モール内の書店に立ち寄るのが、毎度の楽しみです。
書店のイベントコーナーには、11月に公開された新海誠監督のアニメ映画「すずめの戸締り」の小説が山積みに。それを見た瞬間、ある人の言葉が脳裏に浮かんで来ました。
 
「君の名は、を現時点で見ていない人は、多分見ないよね」
 
10月から月イチで通いだしたライティング講座の講師の言葉です。
「最後まで読んでもらえる文章」が書けるようになることを目的とした講座なのですが、ストーリーの流れや作り方を説明するのに、新海監督の「君の名は」「天気の子」や一連のジブリ映画を例にすることが度々あります。
 
映画を見ていない人がいたら、ネタバレにならないか気にされたようで、その際に出た言葉でした。
 
興行収入250億円の「君の名は」。講義を受けている人の殆どが見たことがあるようで、講師の説明に「うん、うん」と大きく頷き、楽しそうな笑い声も沸いてきます。アニメ映画を全く見ない私は、話に同調も笑うこともできません。「おっしやる通り、見ることはありません」と心の中がトゲトゲになったのでした。
 
私も子どもの頃は、アニメ大好き少女でした。
昭和40年代~50年代前半の、魔女っ子もの、ロボットアニメ、スポ根もの、世界名作劇場等々、ゴールデンタイムには子供向けのアニメがたくさん放送されていましたし、夕方の時間帯には、再放送や海外アニメも頻繁に放送されていました。
テレビアニメ全盛時代に育った私は、50代半ばを過ぎた今でも、そらで数々の主題歌を歌えるほど、テレビアニメに夢中だったのです。
 
そんな私がアニメから遠ざかった原因ともいえる作品が「未来少年コナン」。1978年NHKで放送された、アニメ映画界の巨匠、宮崎駿監督若かりし頃の作品です。
お話の舞台は、核兵器をしのぐ超磁力兵器により都市の多くが海に沈んでしまった世界最終戦争から20年後の2028年。
超人的な身体能力を持った少年コナンが、世界征服をたくらむレプカ率いる科学都市インダストリアの面々から、「太陽エネルギーシステム」の復活方法を知るラオ博士とその孫である少女ラナを守るため、仲間のジムシーたちとともに戦う、というストーリー。
 
敵と戦うコナンたちの活躍、愉快で頼もしい仲間たち。小学生の私は夢中になって見ていましたが、物語が進むにつれ、ヒロインのラナに「やきもち」を焼くようになったのです。
 
物静かで儚げな印象のラナ。しかし芯は強く、悪い大人たちに屈することなく立ち向かいます。コナンやジムシーは、ラナを守るために、みんなを救うために、我が身を省みることなく戦うのです。
 
コナンやジムシーを応援しつつも、私はだんだん「何だかイライラ」するように。「守ってあげなければ」と男の子たちの心を鷲掴みにするラナの魅力に、嫉妬心を持ってしまったのです。思春期にさしかかった私は、モテない女のひがみ根性が芽生え、ラナの存在が煙たく思えて、心から楽しんで見ることが出来なくなってきました。
 
ちょうどその頃、小学校の音楽クラブやスポーツ少年団の練習に忙しくなり、いつの間にかアニメから離れてしまったのでした。
 
月日が流れ、アニメ業界はジブリ全盛となり、宮崎駿監督はアカデミー賞を受賞するまでのすごい人となりましたが、大人になった私は、ジブリアニメを見ることはありませんでした。
なぜなら宮崎駿作品のヒロインには全て「ラナの面影」があったからです。違うキャラクターだけど、同じ人間が描くから、どうしても似てしまう。
私の「モテないひがみ根性」は大人になっても消えることなく、ジブリを始め、全てのアニメ作品に興味が持てなくなってしまったのでした。
 
アニメからすっかり遠ざかっていた私の前に現れた、今を時めく「新海誠監督アニメ映画」。
 
「君の名は、を現時点で見ていない人は、多分見ないよね」という言葉に、心を閉ざした私ですが、「人に伝わる文章を書けるようになりたい」と一大決心をして、この不況下になんとかやりくりをしてライティング講座を受けているのです。
 
講義の内容をより理解したいのであれば、ここは信念を曲げてでも、「君の名は」を見るべきだろう。まずは今、目の前にあるこの本から読もう、と「すずめの戸締り」を手に、レジへ向かったのでした。
 
通勤途中の電車内で6日間、366ページ完読しました。
まるでマンガを読むように、するすると読めたのでした。難しい言葉や言い回しは殆どありません。「中学生程度の国語の方が、誰にでも伝わるから、難しい言葉を使う必要はない」という講師の言葉を思い出します。
 
Amazonmusicで「すずめの戸締り」の映画音楽がアップされていたので、ストーリー展開に合わせて音楽も同時に楽しみました。音楽の相乗効果もあってか、最後までページをめくる手が止まることはありませんでした。
 
意表を突く展開に「新海誠監督の頭の中は、どうなっているのだろう」と感心するばかり。そして、おばさんになった私は、やきもちを焼くことなく、男の子の大好物(昭和だけ?)のポニーテールが可愛らしいヒロインを、心から応援しました。
 
「すずめの戸締り」を気持ちよく読み切った勢いで、「君の名は」と「天気の子」をAmazonprimeで鑑賞。
 
透明感ある色彩と細部までこだわりを感じる美しい映像、意表をつくストーリー展開、若者の純真さを感じるRADWIMPSの音楽、登場人物たちの未来を暗示させるエンディング……あっという間に2本観てしまいました。
 
真っ直ぐでキレイな心の少年少女たちが、自然の脅威や社会、運命に翻弄されつつも困難に立ち向かい、成長して行く、というのが映画の根幹です。
 
「みんな顔も心もキレイすぎる」と、心の汚れた私は斜めから見つつも、「自然の驚異と共に生きてきた、人間の歴史と現在と未来」について、何か感じて欲しい、という新海誠監督の思いを強く感じたのでした。
多くの人に見て欲しい映画です……って多くの人は、既に見ていて私が見ていなかっただけでした。
 
また、SF+BOY MEETS GIRLのラブストーリー+ファンタジー+スピリチュアル+少年の心をくすぐるプチエロ+現代社会の負の部分+自然災害の脅威、といった多くの人々が、興味と関心を持つ内容のてんこ盛りです。
新海誠監督の観客へのサービス精神を感じたのと同時に、「文章は、読者へのサービス精神が大切」という講義の内容が思い出されたのでした。
 
「少女時代のやきもち」から、アニメ映画と疎遠となった私ですが、講師の言葉が鍵となり、頑なだった心が「すずめの戸締り」で「解錠」され、子どもの頃の様に楽しむことができたのでした。
 
講義内容の理解も増し「最後まで読んでもらう文章」を書ける日も近い……とは上手く行かないのが世の常。この文章を書くのも四苦八苦しています。
「最後まで読んでもらう文章」を書ける日はまだ遠い。
それでも、嫌いなものがひとつなくなって、新しい世界を知ることができたことも、講座を受けた成果のひとつだな、と思ったのでした。 
 
 
 
***
 
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2022-12-15 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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